Ok Goの『Of the Blue Colour of the Sky』の凝ったグルーブと不満

久し振りの新作レビューはOk Go『Of the Blue Colour of the Sky』。その激変したサウンドについて書いてみたいと思います。
Ok Goといえばそのアイデアに溢れたPVがYoutubeの機能と上手く結びつく事で、象徴的でポピュラーな存在になった訳ですが、新作『Of the Blue Colour of the Sky』は前作で垣間見せたファンク+サイケデリック路線に一気に振り切った内容で、前作からその予兆はあったもののデビューアルバム『Ok Go』からは随分遠くに来た感があり、賛否両論を呼びそうです。
『Of the Blue Colour of the Sky』はもはやギターロックやパワーポップからはかけ離れたサウンドに仕上がっており、全編に渡ってファルセットを利かせたボーカルが印象的で、従来のOk Goサウンドをイメージして聞いてしまうと面食らってしまいます。Dave FridmannThe Flaming LipsMGMTMercury Revなどのプロデュースで有名)がプロデュースだけに、サイケデリックサウンドはお手の物で、『Of the Blue Colour of the Sky』サイケデリックの要素を散りばめたロックアルバムとしては完成度は高いと思いますし、今までのOk Goには無かったサウンドの要素が一気に詰め込まれています。特にリズム面では非常に野心的で様々なグルーヴが目まぐるしく展開していき、聞きどころは多いといえると思います。
とはいえ、メロディの質自体は前作、前々作よりも聞き劣りしますし、本質的なソウルの部分で埋まりきっていない様にも聞こえてしまう点は残念だし、Secret Dakota Ring名義で『Cantarell』という良作を作り上げたAndy Rossの才能を完全に活かしきれてるとは思えない点が不満といえば不満。
相変わらずPVは凝りまくっているし、チャートアクションも良かった様ですから、バンド自体は好調期を保っているといえると思いますので、次作がもっと早めのスパンで届けられるのを期待したいと思います。

どうでも良い事ですが、ファーストアルバムから一貫して「O」で始まるタイトルなのは狙いなのか。
一夜限りの来日公演も決まっているので、関東地区にお住まいの方はどうぞ。
OK GO LIVE IN TOKYO
2月26日(金)東京・代官山UNIT OPEN 18:00 / START 19:00
¥5,000(税込 / All Standing / 1Drink別)

オブ・ザ・ブルー・カラー・オブ・ザ・スカイ

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