Eddie Hintonの『Very Extremely Dangerous』の嬉しい再発盤

このブログには珍しく飛びっきりソウルフルな一枚を。
Eddie Hintonといえば白いOtis Reddingなんて形容詞が付いた白人のソウルシンガー(実際にOtis Reddingの楽曲をカバーしている)ですが、長らく入手困難になっていたソロデビューアルバムが再発になったのでご紹介。
Eddie Hintonは元々ボーカリストではなくギタリストとして名を馳せた人物で、数多くのソウル・ロックレコードがレコーディングされたMuscle Shoals Sound Studioの専属ギタリストとして、多くのレコードに参加していました。そのEddie Hintonがシンガーとしてのキャリアを開始したレコードが『Very Extremely Dangerous』で、何故これだけの歌唱力の人が歌っていなかったのか不思議なくらいボーカリストとしての力量を感じられる一枚に仕上がっています。
いわゆるブルー・アイド・ソウルの名盤なので、内容に関しては非常にレビューが難しいのですが、泥臭くてこってりしながらも目一杯の高音まで引っ張り上げるボーカルスタイルにも関わらず、どこかしらスマートに、そしてポップに聞けるのがこの『Very Extremely Dangerous』というアルバムで、普段はロックしか聞かない人でも違和感無く入っていけるのではないかと思います。Otis Reddingのカバーである「Shout Bamalama」は収録されているものの、オリジナルの楽曲も非常にメロウで出来が良く、Eddie Hintonのシンガーソングライターとしての才能も発揮されています。演奏面でもMuscle Shoalsの腕利きのミュージシャンがしっかりとバックを務めている為、当然の様にタイトで素晴らしいものになっています。カウントから一気にクライマックスの「You Got Me Singing」から一気にもっていかれ、名バラード「I Got The Feeling」で胸を焦がす。自然に体が動き出すシャウトが気持ち良過ぎる「Brand New Man」も最高。
Eddie Hintonを聞いてからOtis Reddingに入っていく。そんな人が増えても素敵だなと思える嬉しい再発盤『Very Extremely Dangerous』ソウルミュージックの入門盤として秋の夜長にどうぞ。

Very Extremely Dangerous

Very Extremely Dangerous