Sufjan Stevensの『The BQE』の映像と音楽を楽しむ

Sufjan Stevens『The BQE』はインストの作品ですが、面白かったのでご紹介。
かなり長い期間、呼び名がハッキリしなかったSufjan Stevensですが一応スフィアン・スティーヴンスで落ち着いた模様。新作『The BQE』をあまり情報を入れずに購入したら似つかわしくないビビットなジャケットで意表を付かれ、しかも完全なインストだったので二度ビックリ。何やらブルックリンとクイーンズを結ぶハイウェイであるBQE(つまりブルックリン・クイーンズ・エクスプレスウェイ)をモチーフにした作品だそうで、映像作品として発表されたものとそのサントラ的な作品でDVDとCDの二枚組。当然、DVDとCD両方で楽しむのが正しい楽しみ方かと思います。音源の方はクラシック+エレクトロなインストで、残念な事にクラシックの学が無い自分では、誰かに例える事が出来ない為に伝え難いのですが、安易に思い浮かぶイメージとしてはスターウォーズとかがジャーンと思い浮ぶ感じです(これはチャイコフスキーの影響が・・・とか印象派云々とか言って見たいのですが)。前半はいかにもな感じのオーケストラを主体にしたサントラという印象ですが、中盤からはエレクトロな要素が飛び込んできて、Sufjan Stevensの個性が発揮されてきます。是非はともかく面白い音源で、この美しきスコアをSufjan Stevensが書いたという事実は凄いのですが、Sufjan Stevensを始めて聞く人にはお勧めはしません。どちらかといえば映像作品に興味を持った人の興味のベクトルが音楽へも向かうという形が自然なのではないかと思います。他にもSufjan Stevensの音源は発売されていますし、これからの季節だったら『Songs for Christmas』なんかも良いのではないかと思います。アメリカではSufjan Stevensは既に人気者で、今作『The BQE』関連のイベントも盛り上がっている模様で、日本との温度差はかなりあるのではないかと思うので、その辺もこの『The BQE』をキッカケに埋まってくると良いのですが。
ちなみに映像の方は三画面が同時進行で進みながらも繋がっては交差していく様な構成で、ちょっと目は疲れますが興味深い作品になっています。こればっかりは見てみない事には分かり難い作品ですので、興味のある方はぜひ映像作品をどうぞ。
アメリカ50州をテーマに一州ずつ音源化するプロジェクトが話題になったSufjan Stevensですが、そのあまりにも膨大な計画に、最近では冗談だったなんて発言もしている様で、過度の期待をプレッシャーに感じているのかもしれません。そんな中、今回の『The BQE』はサイドプロジェクトというか、良い気分転換にもなったでしょうし、改めて新作を期待したいと思います。
DVDはリージョンフリーですし音源もインストなので輸入盤で良いと思ったのですが、国内盤には詳細な解説文が付いている様なので、検討の余地があるかと思います。

BQE [CD+DVD]

BQE [CD+DVD]

クリスマスが近づくと聞きたくなる、五枚組みのクリスマスソング集『Songs for Christmas』。
Songs for Christmas

Songs for Christmas

映像作品の世界観はこちらで理解できるかと。