Relient Kが『Forget And Not Slow Down』で取り戻した軽やかさ

Relient K『Forget And Not Slow Down』に戻ってきた感を感じたのでご紹介。
Relient Kは親しみやすいメロディを武器にしたギターバンドで、アメリカではかなりの人気バンドです。昨日取り上げた『Sorry for Partyin'』が最高だったBowling For Soupと比べてもセールスの面では圧倒的に上回っているくらいで、日本でも徐々にその名前が浸透してきていると思います。
正直に書くと初期のRelient Kサウンドやメロディには可能性を感じるものが多かったのですが、キャリアを重ねるにつれて洗練され、ハイブリット感が強まる事で、有りがちなポップパンクバンドになっていくのではないかと勝手に懸念していました。しかし、6枚目のアルバム『Forget And Not Slow Down』にしてようやく原点回帰しながらの方向転換がなされたように感じます。『Forget And Not Slow Down』は全体を通して疾走感がありながらも、良い意味で落ち着きというか余裕を感じる作品になっており、まさに転換期といえる作品になっていると思います。「Candlelight」Savannahの様な軽やかさを持った楽曲もあるのですが、全15曲の中には短いパースの様な楽曲も含まれており、「Saharah」、「Oasis」、「Savannahといったまるでロードムービー風のタイトルの楽曲が並ぶ事で、『Forget And Not Slow Down』はコンセプトを感じさせる作品になっています。とはいっても作品自体はコンパクトな内容にまとめているのは好感が持てますし、持ち前のポップなメロディとギターサウンドは失われておらず、Relient Kの隠し味であるピアノも今までとは違うサウンドとの新たな相性の良さを発揮していますので、従来のリスナーにも受け入れられる内容にもなっていると思います。
全体を通して肩肘を張らない自然体な音楽をRelient Kが選択したのは賢明だと思いますし、良い意味でも悪い意味でも売れ線のバンドだったRelient Kが、『Forget And Not Slow Down』でひと皮剥けた進化を見せた事は非常に喜ばしい事だと思います。今後の活動も俄然楽しみ。

ジャケットも内容に伴って穏やかさを携えたものに。

Forget & Not Slow Down

Forget & Not Slow Down