The Rumble Stripsの『Welcome To The Walk Alone』の評価が分かれる理由

The Rumble Stripsのセカンドアルバム『Welcome To The Walk Alone』が到着。
Mark Ronsonが全面的にプロデュース、Owen Pallettがストリングスのアレンジを務めるという事もあって、大幅なイメージチェンジは予想出来たのですが、このイメージチェンジはかなり評価が分かれるのではないかと思います。Rumble Stripsといえば、ファーストアルバム『Girls and Weather』でソウルフルなブラスサウンドを響き渡らせ、ドタドタした独特のリズムやどこかいなたいバンドサウンドが印象的なバンドだったのですが、今作『Welcome To The Walk Alone』ではグッと落ち着いたソウルサウンドを聞かせてくれています。Mark RonsonRumble Strips「Back to Black」のカバー(原曲はいわずと知れたAmy Winehouse)を気に入った事でプロデュースに繋がったらしいのですが、『Welcome To The Walk Alone』にはMark Ronsonの存在の大きさが影を落としており、サウンドに思いっきり反映される結果となりました。個人的にはRumble Stripsは総合力のバンドでメロディ自体はそれ程強くないと思っていますので、バンドサウンドをそぎ落とす事でその弱点が浮き立つ結果になっているのは確かで、この路線で突き進むには多少力不足な印象も残ります。しかしその一方では歌モノが増えている為、ボーカルのCharlie Wallerの魅力がダイレクトに感じられるボーカルアルバムになっており、Rumble Stripsのアルバムというより、Charlie WallerのソロアルバムのバックバンドがRumble Stripsという印象も受けるものの、まとまりのあるブルー・アイド・ソウルの小品に仕上がっているのは確かです。
今作『Welcome To The Walk Alone』ではCharlie Wallerのエモーショナルなボーカルにボーカリストとしての天賦の才を感じる事が出来ますし、前作との融合を図った楽曲「London」から先行シングルだった「Not The Only Person」、そして「Daniel」と続く楽曲の流れにも大きな可能性を感じる事が出来ます。11曲で31分のコンパクトに仕上げたアルバムの方向性にも好感が持てますので、例の如くセカンドアルバム症候群で燃え尽きない事だけを願っています。

Welcome to the Walk Alone

Welcome to the Walk Alone

The Rumble Strips - Not The Only Person
やっぱりKevin Rowlandに似ているな・・・