Discoveryの『LP』は微笑ましいエレクトロポップ

Vampire WeekendRostam BatmanglijRa Ra RiotWes MilesのユニットであるDiscoveryのアルバム『LP』がちょっと面白かったのでご紹介。
いわゆるアメリカのインディーズロックシーンでは有名な2つのバンドのメンバーのサイドプロジェクトという事で、どの様なサウンドになるのかが注目はされていたのですが、実際に聞いてみるとどちらのバンドとも一線を画したサウンドになっていました。アルバムは全体を通してエレクトロポップを基調とした軽い打ち込みのサウンドが中心で、ボーカルもヴォコーダーを通したロボットボイスがDaft Punkを髣髴させる様な曲が中心になっています。ハッキリ言えばサウンド自体は特に目新しいものではないのですが、全体的にドリーミーなポップさが耳に残り、微笑ましい内容になっています。
何といってもアルバムの目玉はJackson 5「I Want You Back」のカバーで、意外とありそうでなかったサウンドアプローチが生きています。Michael Jacksonの訃報と重なった事で図らずともタイムリーな感が出ていますが、原曲とは違うシーンで重宝しそうな出来だと思います。あと「Osaka Loop Line」大阪環状線)なんて曲が収録されていて、裏ジャケットが路線図風になっていたりとサイドプロジェクトとは思えない妙なこだわりも感じられ、十分に楽しめる内容ではないかと思います。期待以上とメロディも書けており、コンセプトも含めて面白いユニットだと個人的には思っていて、同系で今話題のPassion Pit(こちらの方がバンドサウンドですね)より好ましい感じがしています。Discoveryというユニット名自体がELO『Discovery』を想像させる事も好印象。
Ra Ra Riot「Can You Tell?」のセルフカバーも収録されているくらいだから、きっと両バンドの次作に繋がる友好的な企画ものだと思うので、このアルバムのベタで微笑ましい要素も両バンドの新作には取り入れて欲しいところ。

Lp (Ocrd)

Lp (Ocrd)

I Want You Back (Jackson 5) - Discovery