God Help The Girlの『God Help The Girl』が低評価な理由

God Help The Girl『God Help The Girl』Belle & Sebastianな内容になっていたのでご紹介。

Belle & SebastianStuart Murdochが手掛けているという映画のサウンドトラックという扱いですが、Belle & Sebastianのメンバーも全面的に参加しているので、かなりBelle & Sebastian色が強い作品となっています。ちなみサントラが先行で完成し、肝心の映画は来年撮影だという事。Belle & Sebastianのキャリアの中では『Storytelling』という作品に近いものになるのですが、内容的には『God Help The Girl』の方が充実しているのではないでしょうか。作曲はもちろんStuart Murdochで、自分が作った楽曲を自分が歌うより女性に歌わせたかった事から始まった企画らしいのですが、女性ボーカルをオーディションで募集してから選び歌わせるというコンセプトは面白いと思います。Belle & Sebastianの楽曲の「Funny Little Frog」「Act Of The Apostle」『The Life Pursuit』に収録)が再構築されて新しい息吹を吹き込まれているのを聞くと新鮮さがあり、この企画自体は成功している様に思います(特に「Funny Little Frog」は出来が良い)。
ゲストには、SmooshAsya(デビュー当時は10歳とか12歳とかだったのに大人の女性になってて吃驚)とNeil HannonThe Divine Comedy)という面白い人選で、この辺はBelle & Sebastianとは一味違う感じです。コンセプト的にはガールズポップの要素を打ち出しているのですが、そこにBelle & Sebastianの持ち味でもあるオーケストラアレンジやソウルミュージックの要素が加わっており、何だかんだいってもBelle & Sebastianサウンドに仕上がっています。
ちなみにこの『God Help The Girl』というアルバム、NMEでは脅威の1点(10点満点中の)を獲得しているらしく、どんなクソアルバムだよと思っていたのですが、全然大丈夫なアルバムでした。あまりにもBelle & Sebastianサウンドが保守的にも聞こえますし、まあどっちつかずといえばどっちつかずなアルバムなのでそういう意味での皮肉なのだと思います。
ライナーにはBelle & Sebastianの時と変わりないテイストで、『God Help The Girl』に参加したボーカルやゲストの写真が掲載されており、映画の世界観に関しての小説も掲載されており、こちらも充実しています。国内盤にはボーナストラックとその小説の対訳が付くので興味のある方は7/8発売の国内盤をどうぞ。

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール

God Help The Girl - Funny Little Frog