The Legendsの正統派過ぎるシューゲイザーアルバム『Over and Over』

スウェーデンのバンドThe Legendsの4枚目のアルバムOver and Overが原点回帰ともいえるシューゲイザーサウンドだったのでご紹介。
The LegendsといえばLabradorレーベルのオーナでもあるJohan Angergård (Club 8、Acid House Kings)が率いているバンドで9人組だったはずなのですが、今作ではクレジットにAll songs written played recorded and produced Johan Angergårdとのクレジットがあるので、ソロプロジェクトの意味合いも強くなっていると予想されます。
肝心の内容ですが、前作では少々エレポップというか80年代のニューウェーブ色が強く出ていたのに比べると、今作Over and Overは完全にシューゲイザーよりの内容にシフトしており、こちらの方が好み。昨今の流行りもあるのですが、The Legendsが元来打ち出していた路線であり、シューゲイザーサウンドに60年代の要素が色濃く出ているのがThe Legendsの特色だったわけでして、今となれば時代を先取りしていたというかちょっとタイミングを外した感じになっているのがトホホなところで、何となく憎めません。今作Over and Overシューゲイザーサウンドを真直ぐに継承した正統派のアルバムに仕上がっているのですが、The Raveonettesという様な同系統のバンドもいますので(The Legendsの方がニューウェーブ色、ガレージ色が強めではあります)、その辺の音楽のリスナーにはしっかりと届くサウンドだと思うのですが、プラスアルファの部分が少なく差別化が難しいところではあります。
とはいっても印象的なベースラインのオープニング曲「You Won」、ノイズの渦の中からポップさが浮かび上がる「Seconds Away」「Always The Same」、一転してシンプルなポップソングの「Monday To Saturday」と前半から良曲が並び、全体を通してウォール・オブ・サウンド的なアプローチも光り、耳に残る楽曲も多く作品のクオリティ自体は高い作品ですし、女性ボーカルを加えたトラックは特にThe Legendsサウンドとのマッチングも良いと思うので、その流れを失わずに今後も地道に活動して頂きたいものです。

Over & Over

Over & Over

The Legendsというバンド名が凡庸すぎてYoutubeなどでも検索し難い・・・
一応オフィシャル的なサイト↓
http://www.labrador.se/releases/legends.php3