The Horrorsがセカンドアルバム『Primary Colours』で果した華麗な転身

The Horrorsがセカンドアルバム『Primary Colours』で華麗な転身を果していたのでご紹介。

The Horrorsといえばそのゴシックな衣装を含めたコンセプチュアルなその存在自体にも注目が集まったものの、ファーストアルバム『Strange House』で届けられたサウンドは正統派のガレージパンクとしか言いようの無い、実に真っ当なサウンドでした。そこから2年後に届けられたセカンドアルバム『Primary Colours』は何とシューゲイザーアルバム。Joy DivisionMy Bloody Valentineサウンドで、一足飛びにサウンドが変化しています。もちろん、それだけでは退屈なネオ・シューゲイザーサウンドになりかねなかったのですが、Horrorsはそこに元来持ち合わせていたガレージバンドとしてのボトムの太さ(ドラムやベースは特に)やスペクターサウンドの甘美さやメロディの良さを加えており、新たなHorrorsサウンドとして完全にモノにしている印象があります。楽曲も長尺のものとコンパクトにまとめられたものとで構成されており、饒舌になり過ぎないほど良い長さのアルバムに仕上げられているのも好印象。シンセとリズム隊の絡みが絶妙でスペクターサウンドも効いている「Who Can Say」が出色の出来だと思います。
この大幅な変化はPrimal ScreamがセカンドアルバムPrimal Screamでガレージロックをやってからサードアルバム『Screamadelica』で大幅な路線変更した時に感覚が少し似ていて、多くの人が一発屋と思ったHorrorsPrimal Screamの様にアルバム毎にコンセプトを変えながら末長くサヴァイブしていくバンドになるのかもしれません。

Primary Colours

Primary Colours

The Horrors - "Who Can Say"