Wake the Presidentの『You Can't Change That Boy』のネオアコっぷり

今回はグラスゴー出身というキーワードとそのジャケットが購入の決め手となった一枚のご紹介。

Wake the Presidentという印象的なバンド名のバンドのデビューアルバムである『You Can't Change That Boy』のご紹介なのですが、この作品がまさにギターポップな一枚になっており、良い意味でも悪い意味でも期待を裏切らない内容になっています。ひと目で印象に残るその反則気味のアルバムジャケットは、 Wannadiesのアルバムジャケットを彷彿とさせ、思わずカートに直行してしまったわけですが、その内容も恐ろしいほどのネオアコサウンドで、ジャケットの写真にも嫌味なくらいにマッチしています。
この2010年代を目前にした現代にはあまりにも愚直で時代錯誤な感がアリアリのサウンドを奏でるWake the Presidentですが、20年で音楽シーンが一周した感もあり、逆説的ながらも凄く新鮮に感じてしまいました。恐らく、80年代のリヴァイバルの一環の中にネオアコ的なサウンドアプローチを試みたバンドが少なかったからかもしれませんが、忠実にその時代のサウンドを再現した愚直なセンスに新鮮味を感じるリスナーは多いかもしれません。Wake the PresidentはBjornとErikの双子が中心となっているバンドのようで、メロディの質を含めてキャリアが浅い割にサウンドがまとまっているのはその結びつきの強さが理由だと思うのですが、今後のWake the PresidentにはAztec CameraOrange Juiceフォロワーから脱却したプラスアルファを求められると思いますし(圧倒的に乗り越えたBelle & Sebastianの存在もある事ですし)、その期待が出来るだけのポテンシャルは秘めていそうなので、現状よりも今後に大きく期待したいと思っております。
ちなみに今作『You Can't Change That Boy』のプロデュースは元The DelgadosPaul Savageで、ちょっと意外な感じもしたのですが、もはや昨今のグラスゴーの音楽シーンの中では重要人物になっている様で、プロデューサーとして今後も期待される存在になっています(Franz Ferdinand の最新作『Tonight』ではエンジニアを担当) 。

6/17にボーナストラックが二曲付で国内盤も発売予定だそうで。

You Can't Change That Boy

You Can't Change That Boy

こちらはWannadiesのジャケット。

Be a Girl

Be a Girl

Wake The President - Miss Tierney