Tinted Windowsの『Tinted Windows』で描かれたベタベタな色彩

以前より話題になっていたスーパーバンドさんの音源のご紹介。

Tinted WindowsとはJames Iha、Adam Schlesinger (Fountains Of Wayne) 、Bun E.Calros (Cheap Trick) 、Taylor Hanson (Hanson) からなるバンドで、少し前からパワーポップリスナー界隈では話題になっておりました。で、実際の音源を購入して聞いてみたのですが、これってAshの音に一番近いかなというのが第一印象。良く聞いてみると一曲目の「Kind Of A Girl」Ash「Kung Fu」みたいなメロディだからなのと、Taylor Hansonの声がTim Wheelerから癖を抜いた様な声質だったからでしょう。さて、楽曲の内容を見ていくとAdam Schlesingerが11曲中7曲を書いていますので、彼がバンドの中心になっているのは明らかなのですが、James Ihaの楽曲であるミドルテンポの「Back With You」James Ihaぽいギターですよね)やブギー調の「Cha Cha」も良いアクセントになっており、これらの楽曲が無ければアルバムが少し単調になっていたかもしれません。というかこれだけJames Ihaも曲が書けるのだから物凄く間が開いてしまったソロ活動を再開して欲しいところ。意外なのはTaylor Hansonが書いている二曲が、ある意味で一番どっしりしたロックテイストの楽曲になっていた事で、デビュー当時からすれば想像もつかない地点に辿り着いており、その成長した姿が何だか感慨深いです(クソ男前になってるし)。
Tinted Windowsはあえてベタベタのパワーポップを華のある有能なアーティストが演じる事で、実にアニメ的というか映画的なバンド(Adam Schlesingerからすれば『すべてをあなたに』のThe Wondersの延長線上にあるのだと思うのですが )を誕生させています。本人達にとってみれば自身のバンドでは出来ないベタな事をあえてやる事で良い息抜きになるだろうし、これぞまさにサイドプロジェクトという感じなのですが、即席のバンドとは想えない程レベルの高いアルバムにはなっているのはやっぱり流石です。

国内盤がもうすぐ出ますが輸入盤の価格の魅力に・・・

Tinted Windows

Tinted Windows

Tinted Windows - Kind of A Girl