Razorlightが歌い上げる『Slipway Fires』の評価と進むべき方向性

Razorlightの新作『Slipway Fires』が完全な歌モノアルバムだったのでご紹介。本国UKでは相変わらず高い人気を誇るRazorlightも、日本ではその勢いを失いつつあるのかなと思っていたのですが、サードアルバム『Slipway Fires』Johnny Borrellの歌に照準を絞ったアルバムになっていて、個人的にはこの路線の方が好み。
自分はRazorlightの最高の一曲は前作Razorlightに収録の「America」だと思っていて、今作『Slipway Fires』ではその路線を推し進めた様に歌に重きを置いた楽曲が並んでいるのですが、それ故にJohnny Borrellのボーカルが際立つアルバムになっています。全体的にはミドルテンポのバラード調が目立つ『Slipway Fires』ですが、「Tabloid Lover」の様にRazorlight史上で一番踊れる楽曲や、「America」クラスの名曲Burberry Blue Eyes」も収録されており、『Slipway Fires』は決して単調で退屈なバラードアルバムにはなっていません。
今作はUKのプレスやレビューサイトでも非常に低評価ですし、日本でも次々にデビューする新人バンドの波にその存在が飲み込まれつつあるRazorlightだけに、バンドとして今が正念場なわけですが、残念な事に今作『Slipway Fires』にソングライティング面でも大貢献を果したドラマーのAndy Burrowsが脱退(「America」Burberry Blue Eyes」もJohnnyとAndyの共作)という事で、今後にも若干の不安が残ってしまいました。※Andy Burrowsは既にソロアルバム『The Colour of my Dreams』を昨年発表しており、今回の脱退は必然といえば必然。更なるソロ活動に期待出来そうです(弟君もCaptain Phoenixで頑張っていますしね)。
とは言ってもJohnny Borrellのエモーショナルに歌い上げるボーカルスタイルは今回のサウンドにはシックリきているし、ようやく辿り着いたRazorlighの進むべき方向性を『Slipway Fires』は指し示しているわけだから、今後もガッツリと作品を作っていって欲しいもの(同時にJohnny Borrellがソロ活動に踏み切る可能性も今作で強くなったんですけど)。

US盤が廉価で発売されて買い求め安くなったのでゴー(自分もそのクチ)。

Slipway Fires

Slipway Fires

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スリップウェイ・ファイヤーズ~デラックス・エディション(DVD付)

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Razorlight - Wire to Wire