『DRAGONBALL EVOLUTION』を公開初日に見てきた

といっても決して一人で見る勇気なんて持ち合わせていない為、猛プッシュしてくる友人と同行致しました。友人は半分かめはめ波目当て、半分ネタとして見る気マンマンで、見るのならぜひ公開初日にという程に意気込んでおりました。よし、それならこちらも本気だ。公開初日のレイトショーという事で長蛇の列が出来ている可能性も考慮して、前日にチケット購入方法の問い合わせを入れさせ、友人を開場時間前からスタンバイをさせ、うっかり寝てしまって、かめはめ波を見逃してはいけないのでビタミン剤とドリンクを事前にガブ飲みしてバッチコーイの状態で望む事にしました。がしかしです。初日なのに50人程度の動員でスカッスカの会場で全ての前準備が杞憂に終わるという快調な滑り出し。もちろん、そんな事にはへこたれず「これは祭だ」自分に言い聞かせてがっつりと眠る事無く見届けてきました。
そして、その結果をネタバレせずに書かせて貰えば、これが意外と面白かったのです。というより、近年見た映画の中で一番笑う事が出来ました。随所にドラゴンボールファンの心情を敢えて逆なでする描写を盛り込み、プロットは書けているにも関わらずに、敢えて細部の脚本を詰めずにドラゴンボールの世界観を知っている事を前提に簡略化されたストーリーは、87分という時間を感じさせずにあっという間に観客をエンディングに導いてくれました。この映画に100億をかけちゃった米国人はどうかしちゃっていると心底思いました。亀仙人チョウ・ユンファ渡辺いっけいに見えて仕方なかった事や、田村英里子の想像を絶する重用振りやチチ(無駄にセクシー)とヤムチャ(ちっちゃいチェ・ホンマンに見える)の残念な感じや、浜崎あゆみの主題歌のCDジャケが無駄に三種類もある事も含めて、その辺のコメディ映画より驚きと笑いどころはあるし、先入観さえ無くして見ればよく見る今風のアクション映画に見れなくも無い。また、観客からみると細かな部分の設定にはやけにこだわっている事から見ても(根本的に間違っている部分はあるにしろ)、想像していた以上に製作者側はドラゴンボールの世界観を熟知しており、大真面目で作られた映画だからこそ色々な意味で楽しめるのだと思います。
きっとこの映画がいかに原作と違うのかを数えるよりも、大口開けて笑い飛ばす方が楽しみ方としては健全だし、同人誌読んでケチ付けるのも何だか無粋だなとも思いました。そして、日本では映像化するのは不可能というか、あまりにも存在が大きくなり過ぎて踏み込めなかった聖域に魔封波をブチかましてくれたという点でこの映画は評価されても良いし、多少無茶すれば映像化出来ない原作は無いという前例が出来ましたし、後に続きやすくなったのではないでしょうか。
以上、『DRAGONBALL EVOLUTION』を出来る限り褒めて見たところで終了です。