M.Wardの『Hold Time』の様なレコードは国内盤を出すべきだと思います

M.Wardの新作『Hold Time』が今までM.Wardの作品をスルーしていたのが申し訳ないぐらい良いのでご紹介。

自分の中ではM.Wardという人に対してどフォークの人というイメージがあった為、今作『Hold Time』が6作目というキャリアなのに、その作品を全然追っていなくて、もしかするとZooey DeschanelとのユニットであるShe & Himが無ければ、新作に手が伸びなかったかもしれません。ゴメンね、M.Ward。ですが今作『Hold Time』が想像以上に良盤だったという事は、She & Himの活動が良い流れを生み出したという事だろうし、自分の様に今まで未聴の人間が発売日にシッカリと注文した事にShe & Himは貢献しているわけだから、やはりShe & Himの存在は大きい。
当たり前のように今作『Hold Time』にもZooey Deschanelは参加しており、「Never Had Nobody Like You」「Rave On」の二曲で、その歌声を披露しています。相変わらずZooey Deschanelの歌声は印象的で、エフェクトが掛かって揺らぐ様なM.Wardのボーカルに、彼女の声が乗ると楽曲に光が射すというか、グッと表情が変わります。特に「Rave On」は今年がBuddy Hollyの50回忌という事もあって、色々な意味で印象的な一曲。今作ではLucinda Williamsという大物との共演も話題になっていますが、確かに「Oh Lonesome Me」Neil Youngがカバーした事で有名なカントリーソングのクラッシック)の出来も良いし、他にもJason Lytle(元Grandaddy)が参加した「To Save Me」もポップな仕上がりで楽しい。今までの作品でもそうだったように、やっぱり基本的にM.Wardという人物は他のアーティストと絡む事で、その魅力が際立つミュージシャンなのだなと再確認した次第であります。もちろん、M.Ward自身のプロデュース能力も冴えていて、アメリカンルーツミュージックとフォークとロックンロールをバランス良くミックスし、ストリングスやピアノを中心とした楽器のアナログ的な魅力をしっかりと伝えてくれています。M.Wardは今後もソロ活動はもちろんの事、She & Himでの活動も継続させていく様なので、ぜひとも両方での活動を継続させて欲しいところ。
残念な事に輸入盤には歌詞が掲載されて無いのですが、ボストンの美術館の中国の絵画を使ったジャケットも印象的で、この様なレコードこそデジタル配信ではなく手元に置いて楽しみたい。国内盤の発売は今のところ決まっていないようですが、これを国内盤化しないでどうするっていうんでしょうかね。

Hold Time

Hold Time

M. Ward - Hold Time