Ben Kwellerの『Changing Horses』はカントリーと戯れた一枚

Ben Kwellerがカントリーと戯れた『Changing Horses』が思いっきりレイドバックした内容の一枚になっていたのでご紹介。
前作Ben Kwellerでもカントリーの要素は十分感じられたのですが、ペダルスティール・ギターが鳴り響く今作『Changing Horses』は完全にカントリーフォークといった趣き。もちろん、カントリーといってもBen Kwellerらしさが失われてているわけでは無いのでご安心を。「Fight」から「Hurtin' You」の流れは従来型のBen Kwellerのポップさが光る展開になっていますし、「On Her Own」の様な歴代のBen Kwellerの楽曲の中でも際立つベストトラックも『Changing Horses』には収録されています。今作『Changing Horses』はセルフプロデュースですし、恐らくテキサス出身のBen Kwellerのルーツミュージックという事なんでしょうが、図らずとも特有のフラフラとした酔いどれボーカルが今回のアルバムのサウンドにマッチしており、そのボーカルが何故だかソウルフルに聞こえるから不思議なのモノで、Ben Kwellerのボーカリストとしての魅力を存分に楽しむ事が出来る一枚に仕上がっています。
取り立てて目新しいサウンドは無く、ただひたすらにカントリーを奏でるこの『Changing Horses』が、リスナーにどの様な形で受け入れられるかは分かりませんが、Ben Kweller流のポップセンスをカントリーサウンドに溶け込ませて確立させたこの作品こそが、現在のBen Kwellerの自然体なのだと思います。
『Changing Horses』は人にBen Kwellerを紹介する時の一枚というよりも、普段カントリーを敬遠している様な人にお勧め出来る一枚で、カントリー入門盤としても最適な作品になっていると思うのですが、正直なところ、カントリーアルバムも良いのだけど、ポップス全開の新作をもう一度聞きたい気持ちもあるので、どうぞ宜しくぇーらー。

安価なのに装丁も凝ってて歌詞カードも豪華な輸入盤。

Changing Horses (Dig)

Changing Horses (Dig)

Ben Kweller - Fight