好事魔多しのButch Walkerが作り上げた『Sycamore Meadows』

一時期は犬も歩けばButch Walkerに当たる程、プロデューサーとして引っ張りだこだったButch Walkerですが(といっても最近もKaty PerryPinkのプロデュースにも関わってましたし、特段仕事が減ったわけでは無いのですが)、4枚目のソロアルバム『Sycamore Meadows』もシッカリと作り上げていますのでご紹介です。
Butch Walker織田裕二Puffyなどの楽曲のプロデュースも手掛けており、日本人にも非常に馴染みの深いアーティストで稀代のプロデューサー兼SSWだといえると思います。主にポップロック的な音楽プロデュースを得意としているのですが、今回の『Sycamore Meadows』は落ち着いた楽曲も多く、じっくりと聞かせるタイプのアルバムといえるかもしれません。一曲目の「The Weight of Her」こそアップテンポな楽曲なのですが、その後はカントリーに接近した「Going Back/Going Home」の様な落ち着きを持ったサウンドを中心に『Sycamore Meadows』は固められており、Butch Walker流ソウルサウンド「Ponce De Leon Ave.」だったり、Ships in a Bottle」のような直球のバラードだったり、ポップなメロディを残しつつも今までと違うアプローチで新しいSSW像をButch Walkerが模索している様を伺えます。
このアルバムの背景には昨年Butch Walker自身が山火事で自宅を失った事(楽器やマスターテープなど全財産を失ってしまったらしい)が大いに関係しているのだと思うのだけど(Pink Spidersといい火事に見舞われる不幸が多いのは何なんでしょうね)、どん底から立ち上がる第一歩としての底力の様な強い意思を感じるし、ポップロックで語られる事が多かったButch Walkerから脱却した新境地が開けていると思います。

Sycamore Meadows

Sycamore Meadows

自宅の跡地が映像化されている切ないButch Walker - Ships in a Bottle