Ryan Adamsの『Cardinology』は当たり前田の良作

Ryan Adamsといえば出てきた時にはBryan Adams(彼も今年新譜を出してましたね)と紛らわしくて仕方なかったアーティストですが、あっという間にその存在を確立してしまい、その後もハイペースで作品を作り続けているという稀有なアーティストです。相変わらずといえば相変わらずなんですが、当たり前のように新作『Cardinology』も良作だったのでご紹介です。

Ryan AdamsRyan Adams with The Cardinals名義での作品を含めると今作で10作目のアルバムになると思うのですが、彼のデビューは2000年ですので一年に一枚以上の作品を発表している事になります(しかも二枚組もありましたしね)。これだけ、多作なアーティストといえば最近ではGuided By VoicesRobert Pollardくらいしか思い浮かばないし、歴史を顧みてもそんな多くはいないはずです。しかもRyan Adamsは実験的なサウンドに取り組むわけでも無く、大きく作風を変える事も無く作品を出し続けていますので、枯れる事のない才能に驚くばかりです。Ryan Adamsは天才と呼ばれる一方で、気難しくて神経質なイメージもあるのですが、まあ、Strokesが出てきた時に『Rock n Roll』というロックアルバムを二週間で作り上げThis Is Itという曲を歌っちゃう人なので、負けず嫌いなのかもしれませんが洒落っ気もある人だと思います。
で、まあ今作『Cardinology』もこれといった新境地や取り立てて書く事は無いのですが、カントリー色が若干薄く、前作より若干アメリカンロック、サザンロックの要素が強く感じられ、スケールが大きいとは言えないまでも万人が聞きやすいサウンドに仕上がっていると思います。Ryan AdamsThe Cardinalsの阿吽の呼吸は一音一音を立たせていますし、あまりにも当然の様に作品を作り上げている事で目立ちませんが『Cardinology』は相変わらずクオリティの高い作品で、Ryan Adamsは齢34歳にして落ち着き払った貫禄と安定感があるサウンドを聞かせてくれています。
Ryan Adamsは日本のライブではあまり良い印象を与えていないからか、いまいち他の国に比べて認知度が上がってこないのですが、一人の天才の黄金期をリアルタイムで感じられる事はそうはないと思いますので、興味がある人はぜひ聴いてみて下さい。

Cardinology

Cardinology

Ryan Adams & The Cardinals - Fix It
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