Fotosの『Nach Dem Goldrausch』はドイツ語ロックのお手本的な一枚

ドイツのロックシーンといえば日本ではあまり紹介されておらず、決して大きなシーンではありませんが、良質なロックバンドが頑張っているのでご紹介。

ドイツのバンドであるFotosはアルバム『Nach Dem Goldrausch』で堂々たるバンドサウンドをドイツ語で聞かせてくれるわけですが、日本ではほとんど知られていません。ネット上で辛うじて紹介されている文章からフランスのバンドであるPhoenixと比較されている事などが伝わってくるのですが、初期のPhoenixの持っていたエレクトロなサウンドは強く感じさせませんし、実際にツアーを一緒に回ったことがあるとはいえど少々毛色が異なります。Fotosサウンドはキラキラとしたギターポップ色が強く、イギリスやアメリカのバンドと一線を画す独特の音の粒子の細やかさがあり(この辺はPhoenixとも通ずる部分ですかね)、コーラスワークがそれを際立たせています。そして英語と日本語に聞きなれている耳からすると、ドイツ語のロックというのは柔らか味というか丸みを感じるので、ハードな曲調でも柔らかく聞こえるだろうし、ポップなメロディに乗せるとよりポップに耳に届きます。Fotosは良質なメロディが書けているバンドですので後者ですが、母国語で歌うことによって新しい音楽の可能性を生み出していると思いますし、中途半端に英語で歌われるよりも母国語でシッカリと表現できるのであれば、そっちの方が素晴らしいと思います。
スウェーデンの国民的なバンドであるKentのような例もありますし、Fotosも確固たる地位を確立出来る可能性を秘めていると思います。まあ、既にFotosはヨーロッパでは人気があるバンドなので、日本でも話題になっても全然不思議でないですし、セールスポイントが打ち出しやすいバンドだと思います。どうですかね、各レコード会社様(EMI所属ですしね)。

『Nach Dem Goldrausch』は英語にすると「After The Goldrush」なので言葉は伝わらないまでもその心意気は伝わります。
日本のamazonでは取り扱いが無いのでお安いHMVでどうぞ。
Fotos『Nach Dem Goldrausch』

確かにこの「Nach Dem Goldrausch」はイントロがPhoenixを感じさせる。

こちらは美しいメロディの「Explodieren」