Matthew Sweetの体重と『Sunshine Lies』を考える

Matthew Sweetといえば宅録・多重コーラスを駆使しながら90年代のSSWとギターロックの流れを作り出した才人で、名盤『Girlfriend』以後にはその影響を受けたであろう多くのフォロアーを生み出しました。オタクという言葉が定着する前からオタクを実践し(主にアニメやフィギュア)、世捨て人の様になってしまったのではないかと心配する方も多かったと思いますが、定期的に音楽活動は続けていました。
しかし前々作『Living Things』Van Dyke Parks色が強く落ち着いた作品だったし、前作『Under the Covers, Vol. 1』はカバー曲集という企画物だった事を考えれば、かなり久しぶりのオリジナルアルバムの様に感じるのも確かであり、ギターを掻き鳴らすMatthew Sweetの帰還を喜んだ人も多いと思います。そして届けられた新作『Sunshine Lies』Matthew Sweetの総決算といった趣の強い作品で、新境地は無いですが彼の作品を追いかけ続けたファンにしてみれば大歓迎の作品となったのではないでしょうか。個人的にも『Girlfriend』を超える名盤とは決して言えないまでも『100% Fun』と肩を並べるくらいの代表作になるのではないだろうかと思います。

『Under the Covers, Vol. 1』でのSusanna Hoffsとの共演(今作でもバッキングボーカルで参加)が、Matthew Sweetの音楽の原点を見つめ直すキッカケになったは間違いないし、どこか吹っ切れて外に開かれたポジティブな作品を作り出した大きな要因になったのではないかと思います。

Sunshine Lies

Sunshine Lies

オフィシャルHPの写真を見る限り、一時期に比べ少しは痩せたように見える(けど多分痩せていない)。別に太っていたら声が出ないとは思わないけど、今作の瑞々しい歌声を聴いているとスマートで美少年と言われてた頃のMatthew Sweetの顔しか思い浮ばない。それでも少し声は擦れたのかも知れないけど、その枯れて来た存在も含めてMatthew Sweetの第二幕が上がったのではないかと『Living Things』は思わせてくれる。

※参考動画(大変刺激が強いのでご注意を)