Juliana Hatfieldの『How to Walk Away』でイメージを吹き飛ばせ

Juliana Hatfieldといえばその風貌とか何となく険しい顔付きから誤ったイメージで語られ、損をしているアーティストだと思うわけでして、とりわけ日本でもオルタネィティブ・ロック黎明期に颯爽と登場した女王的イメージで語られる事も少なくないわけであります。
だけど、そんなイメージとは遥か遠い場所に来てしまった素晴らしい女性SSWの作品として語られるべき作品が今作『How to Walk Away』だと思う。

『How to Walk Away』ではJuliana Hatfieldの澄んだ声質が生きる抜けの良いポップな音作りが耳に残るのですが、だからといって彼女のギターの存在が埋没してしまっているわけではない。今作でソングライティングとギターのフレーズのバランスの絶妙さが存分に発揮されたのは、多分一人で気負い過ぎずにJuliana Hatfieldが作品を作り上げる事が出来たからではないかと思っていて、「This Lonely Love」ではPsychedelic FursRichard Butler「Such a Beautiful Girl」ではNada SurfMatthew Cawsをゲストボーカル(ゲストボーカルってところもミソだけど)として招いている事からも自然体で作品に取り組めたのではないかという事が窺い知れる。とりわけ今までの発表作品の中でも全体的にナチュラルで柔らかな音に聞こえるのもそのせいなのかもしれない。
ちなみに先日ソロデビュー作『Close to the Sun』を発売したFountains of WayneJody Porterも数曲ギターで参加しているのもアルバムに彩りを加えており、その辺な音を好む人にもお勧めできるポップさも兼ね備えている。

まあとにかく、Juliana Hatfieldを「ああ、昔そんなひといたね」なんて斜に構えている人をブッ飛ばす快作だ。ぜひ聴いてみて欲しい。

Juliana Hatfield - This Lonely Love

How to Walk Away (Dig)

How to Walk Away (Dig)

気に入った人は彼女の2000年代以降の作品もぜひ聴いてみて欲しい。素晴らしい作品が多いので。