Johnny Flynnの『A Larum』で浸ってみる

いわゆる、フォーク・カントリー・ブルースの文脈で語られる事になるJohnny Flynnのデビューアルバム『A Larum』が想像以上に懐の深い、暖かな良作だったのでご紹介。
個人的には全編を通して感じられるトラッドな雰囲気も気に入っていて、なにより低音のコーラスと女性コーラスのバランスの良さがサウンドに彩りを加えているので、ポップミュージックの軽やかさを失っていない(ちなみに女性コーラスのクレジットがLillie Flynnだったので恐らくご兄弟かと)。
今のシーンで言うならばテムズ・ビートの流れとも言えるのかもしれないけど、もっとカントリー・トラッド色が強く、より深い位置にJohnny Flynnは居るのだと思う。一応、Johnny Flynnというクレジットの中身を覗くとJohnny Flynn & The Sussex Witというバンド編成になっているが、バンド編成とはいうもののJohnny Flynnはこのアルバムでギター・ボーカルはもちろん、バンジョー・トランペット・バイオリン・マンドリンアコーディオン・ハーモニカ・オルガンをこなし、兎角忙しそうだ。もちろん、この多才なJohnny Flynnという人間は将来を嘱望されたミュージシャンである事は間違いなく、その忙しさを楽曲上では微塵も感じさせない懐の深さをこの作品に感じる事が出来た事が嬉しい。
プロデューサーはRyan Hadlockで過去にThe GossipStephen MalkmusBlonde Redheadの作品のプロデュースを手がけている。The StrokesRegina Spektorの名前も挙がっているけどこれは多分「Modern Girls & Old Fashion Men ft」のプロデュースではないだろうか。
あとAimee Mann『@#%&*! Smilers』を気に入った貴方などにもお勧め。

Johnny Flynn「Leftovers」

こちらもUS盤が出てお求め安くなっているのでどうぞ

Larum

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