Mark Morrissのソロアルバム『Memory Muscle』を紹介し忘れていた

実は以前のブログでアップする予定でストックしておいたのでタイミングずれていますが、お蔵出しという事で。

The Bluetonesのボーカリストであるのソロアルバム『Memory Muscle』はバンド本体が良好な状態の時のメンバーのソロアルバムは良作。その事を指し示す最良のソロアルバム。
Mark Morrissは2006年にFi-Lo Beddowという名義でEP『The Fi-Lo Beddow EP』を発売しており、その楽曲は今作にも再収録されている(EPは限られた流通だった為に未聴なのだが、アレンジを大きく変えて再収録されているようだ)。
アルバムはMark Morrissのルーツであるフォークサウンドを基調に全体的にはアコースティックな作りで、Mark Morriss柔らかい声質とサウンドは、当然の如く非常にマッチしているわけでして、Teenage Fanclubのカバー曲であるAlcoholidayも昨年永眠したLee Hazlewood「My Autumn's Done Come」もすっかりMark Morrissの色に仕上がっており、作品の中の素晴らしいアクセントになっているので必聴。


Memory Muscle

Memory Muscle

日本でも本国でもスルーされているBluetones本体(あの素晴らしい『The Bluetones』が全英で100位、日本盤未発売なんてセンスが無さ過ぎるぜ)にしてもそうなんだけど、良作を作り続けているアーティストに対する迫害は酷いものがあって、次から次に新しいアーティストや流行を無理やりに生み出そうとする弊害は大きいと思う。
その証拠にセカンドアルバムで解散するバンドが多い事多い事(UKでは特にね)。でもまあ、逆にCajun Dance Partyみたいな扱いされちゃうと、果たしてその後も変わらずに音楽活動を続けれるかといえば難しいだろうし、BluetonesにしてもデビューアルバムがOasisのモンスターアルバム『(What's the Story) Morning Glory?』をチャート1位から引きずり降ろしているわけで、その呪縛から逃れるのは大変だったのはないかと思う。その辺を乗り越えた強さは少なからずとも音楽に反映されるし、この作品から感じる底知れない強さはその辺からきているのではないだろうか。

多分、Mark Morrissはもっとフォーキーなアルバムを作るつもりだったんだと思うんだけど、図らずとも程よくポップな仕上がりになっているし、シングルのカップリングではGirls AloudPixiesのカバーをやったりしている辺り、非常に愛おしく人物なのではないかと勝手に推測して、微笑ましくなってみるのである。

Teenage FanclubのカバーAlcoholiday