「J-CROWD MUSIC」は日本で定着するのか?

J-WAVEが主催して9月から始まる音楽専門のクラウド型ファンディングサービス「J-CROWD MUSIC」が面白そう。
ファンドと銘打っていますが実際には、CDなどの商品やライブチケットでの還元なので、PledgeMusicに近いサービスだという印象。PledgeMusicはアーティストが作品を製作する為に積極的に参加し、様々なコンテンツを提供することでリスナーと繋がるサービスとして定着していますが、このサービスが果たしてその域まで達するのかどうか?
名目としては新人アーティストのCDデビューや現役アーティストの映像制作、ライブイベントといったプロジェクトへの出資ということなので、ある程度の知名度を持つアーティスト以外がプロジェクトを立ち上げたときに出資が集まるのかという点が大きな課題になりそうです。あとは、どれだけ魅力的なコンテンツやマテリアルを幅広く提供できるかだと思います。
PledgeMusicの優れているのは金額に応じて様々な商品や体験をリターンとして用意されていることで、CDにもサイン入りや複数枚セットやアナログ盤との抱き合わせがあるだけでなく、Tシャツをはじめ様々なグッズとセットにされた商品が用意されていたりします。更にはアーティストからの個人的な物品の提供やプレゼント、バックステージ・パス、個人に向けたライブの提供やアーティストと一緒に過ごす権利など、その特典や体験が多岐に渡って提供されています。「J-CROWD MUSIC」にもその辺で面白みがないと、プロジェクトが目標額に達するのは難しいのではないかと思います。
またPledgeMusicに出資すると作品のダウンロード版は手に入るわけで、日本では知名度のあるアーティストになればなるほどダウンロードという形式での商品の提供には制限が掛かると思いますし、この辺もネックになると思います。亀田誠治氏がプロジェクトデザイナーを務めるとのことでその本気度は伺えますが、相当戦略的で長期的な展望がないと尻すぼみになる可能性もあるかと思います。
こういった新しい試みは、ぜひ頑張って頂きたいと思いますし、Lyme-Recordsでも有効に活用できるプランニングできれば参加したいと思っていますので、引き続き注目していきたいと思います。