2011日本シリーズをソフトバンクホークスが制覇する為には

日本シリーズを見ていたけれど。
初戦と2戦目を落とした地元ソフトバンクホークスは極めて厳しい状況です。最悪でも1勝1敗で名古屋という算段を秋山監督はしていたと思うのですが、その為には第1戦を死ぬ気で取りにいかなくてはいけなかったと思っています。中日サイドは第1戦の先発は吉見ではなくチェンでしたので、やはり1勝1敗で名古屋、最悪2敗で名古屋でも巻き返せると考えていたと思います。逆にいえば落合監督は最低でも名古屋で2勝1敗の星勘定をしています。そして6戦チェンと7戦吉見で勝てれば優勝と考えていたと思います。
そういう算段がある以上、ホークスとしては第1戦は絶対に落とせない1戦でした。実際に第1戦で先発した和田投手は素晴らしい立ち上がりでしたし、一方のチェン投手は立ち上がりは不安定。選手達は十分に撃ち崩せて勝てると感じたはずです。でもそうならなかった。結果的に尻上がりに調子を上げたチェン投手を序盤で必死に崩そうという姿勢を見せる事が出来なかった事に、少なからずともホークスの過信があったと思います。逆に中日の選手は普段通りの戦い慣れた接戦を戦っただけで、短期決戦にあわせた采配をしている首脳陣以外は実に普段通りの野球で勝利を収めました。しかもチェン投手も吉見投手も絶好調という訳では無かった訳ですから、最高の形の2勝だと思います。
さて、ではホークスが今から逆転する為にはどうすればいいかですが、幾つかのポイントがあります。まずは4番を松田から小久保に変える事、そして摂津を中継ぎに配置転換する事です。ホークスに流れを持ってくる為に一番必要なのは4番が打って勝利する事で、それが小久保であれば雰囲気は一気に変わります。松田選手は6番あたりが本来なら一番怖いです。基本的にホークスが勝利する為には打ち勝つ事が必須ですが、誰がどの場面で打つのか?これは非常に大事で、野手の駒も揃っている中でのDHが使えないセリーグ本拠地の試合にこそ、柔軟で大胆な起用が必要だと感じます。
その一方、ナゴヤドームは点の入りにくい球場ですので、基本的には1、2戦同様に投手戦になります。ホークスの場合、1敗した時点でかなり優勝の可能性が低くなりますので、基本的には負けられません。その為、先発の調子が悪い場合は、早い見切りを付ける必要があります。そういったケースを想定していくと、ホークスの投手はハッキリいって駒不足。これは馬原投手が使い辛くなってしまった(それでも勝ち試合のストッパーは馬原でいくしかない)という事もあるのですが、元々ファルケンボーグも1イニング限定。他に大きな舞台を経験していてきた経験豊富な中継ぎ投手は少ない訳で、15イニングまで延長がある日本シリーズのイニングを逆算した場合、試合がもつれるほどにホークスは不利です(しかも投手に代打を使う訳ですから起用する投手の人数自体が増える)。ですので、先発はホールトン、山田、大隣でも良いと考えます。経験のある摂津を配置転換した上で、もしも後が無くなれば第5戦は中4日で和田を注ぎ込むしか無いと思いますが、基本的にはホールトン、山田に中継ぎ待機の摂津で3、4戦で2勝を取りに行く体制を作るべきだと考えます。あと岩嵜と大場という好投手を擁しながら起用の場面が無いのは非常に勿体ないですので、この辺の投手起用にも注目したいと思います。
ホークスが名古屋ドームで戦う上で一番難しいのは、中日の先発投手を読み切れないという点です。大方の予想では3戦目はネルソンですが、他にも川井、山井、そしてソト(Mr.ビーン似)と左右の先発投手の候補がいます。特にソトに関しては対戦データが少ないですし、怪我から復調していた場合、ホークスが打ち崩すのは難しい様に思います。この辺の読みは非常に難しいですが、落合監督ならソトを先発で使ってきそうな気がしています。ソトが先発の場合、ネルソン、山井のどちらかはロングリリーフという可能性もありますが、第2戦で平井投手を投げさせるなど非常に余裕のある采配を見せていますし、落合監督は恐らく点差が開いた展開では中継ぎ投手を総動員してきます。基本的に投手の駒は足りていますし、余裕のある投手起用が可能ですので、ロングリリーフすら必要無い可能性もあります。その辺を踏まえて非常に厳しい状態のソフトバンクホークスですが、何も手を打たないと確実に飲み込まれますので、秋山監督の妙手を見たいところです。頑張れホークス!!(でも基本的にはタイガースファンの戯言)