洋楽の国内盤をリリース前によやっくするのは困難だ

分厚くなったrockin'on誌10月号の感想を。分厚くなったのはサマーソニック・フジ・ロック全記録という特集の為で、全100ページ也。その為、最近は191ページで固定化していたページ数も255ページに増量され価格も690円と微上げ。64ページの増量で40円の値上げですので何となく良心的な気がしていましたが、実は昨年のフェス特集である10月号(フェス特集が90ページ)も255ページで690円でしたので、律儀にも全く同じページ数と価格です。今年に入りページ数が191ページで安定していましたし、カラーページが多い事もあって今月号は妙に分厚く感じたのですが、ひと昔前のrockin'on誌はこの位のページ数はあったので、何となく懐かしく感じました。表紙はRed Hot Chili Peppersという事でインタビューも充実(3号連続だけど)。インタビューもフェスでの来日アーティストを中心に、大物から中堅どころのインタビューが掲載されています。
あと、今月号を読んでいて少し気になったことがあったので、話は逸れますがちょっと書いておきます。自分はYuckの国内盤が出る事を10月rockin'onので知りました。忘れないうちに予約しておこうかと思い、ユニバーサルからの発売との表記だったのでUNIVERSAL MUSIC - UMUSIC JAPANのサイトを覗いてみたんですが、数日後には発売になるはずのYuckのアルバムの情報は何処にもなかったんです。ニューリリースの項目にはもちろん、アーティストインデックスにも(数日後に加えられていましたが)。良く調べてみると、流通はユニバーサルなんですが傘下にPachinko Recordsという主に洋楽のインディーズを扱うレーベルがあって、Yuckのアルバムはそこからの発売になっているのです。でもPachinko Recordsのサイトを見ても国内盤のボーナストラックとか価格とかは分からなくて、結局Amazonなどの通販サイトで確認しました。だったら国内の流通元のオフィシャルサイトはあまり意味が無い訳でして、情報媒体としては全く機能していない状態なんだなーと。購入者からすると非常に不便だし、日本で販売する限りは最低限の情報を流通元がリスナーに届けて欲しいとは思うのですが、それ以上にサイトの更新に力が入れられなかったりするのは、CDが売れない時代の弊害だろうし、それだけCDを購入する洋楽リスナーなんてものは物凄くニッチな存在になってしまったという事なのでしょう。これだけの情報化社会なのに紙媒体か通販サイトでしか情報を拾えないジャンルなんて、どれほどニッチなジャンルなんだよと思ってしまいます。
多分Yuckの国内盤が発売される事はrockin'onを読んでいないと気付かなかったでしょうし、音楽雑誌が衰退し、国内盤の発売を確認出来る媒体が減っているのに、それをカバーするほどインターネット上に情報が落ちていないという現実。その意味ではrockin'onが貴重な国内盤のリリース情報誌になってきている事を改めて実感。そんな10月号でした。

rockin'on (ロッキング・オン) 2011年 10月号 [雑誌]

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「一人勝ちマーケット」を狙え!―ニッチの中に大化けするビジネスチャンスあり

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