Frankie & The Heartstringsの『Hunger』の印象的なジャケットと上出来な仕上がり

印象的なジャケットに引き寄せられたFrankie & The Heartstrings『Hunger』を聞いています。
まず、耳に飛び込んでくるFrankie Francisのボーカルが印象的。Dexys Midnight Runnersに影響を受け、Kevin Rowlandとの比較もされているFrankieですが、声質的にはJarvis CockerとかDamon Albarnに通ずる様な英国特有の癖のある歌声で耳に残ります。確かにサウンド的にもDexys Midnight Runnersの影響を感じるのですが、どちらかといえばもっとポップなサウンドとメロディがFrankie & The Heartstringsの持ち味で、ボーカルの印象もあってかブリットポップを喚起させる様なポップなサウンド『Hunger』は仕上がっています。また、Edwyn Collinsがプロデュースを手掛け、コーラス等で参加している事もあって、キラキラとした印象がさらに増しており、非常に耳馴染みが良くて分かり易いアルバムだと思います。
中でもタイトルトラックであり、陽気なThe Clash風の「Hunger」「Tender」の両トラックはバンドを代表する様な楽曲でアルバムの中でも引き立っていますし、「Fragile」の様なおセンチな楽曲があったりと、Killers「Mr. Brightside」の様に高揚感のある「Don't Look Surprised」で賑やかにアルバムの幕が下りるまで、バラエティに富みながらもFrankie & The Heartstringsの一貫したバンドの姿勢というのは表現されていると思います。また、『Hunger』の中にはシングル等ですでに発表になっている楽曲も多く含まれるのですが「Ungrateful」以外の楽曲は全て再レコーディングされており、アルバムの統一感を損なっていませんし、『Hunger』はデビューアルバムとしては上出来の仕上がりだと思います。
よしもとアール・アンド・シー から発売の国内盤はいつもの様にボーナストラックが多目です。『Hunger』もアコースティックバージョンなどのボーナストラック9曲入りなので、興味のある方は国内盤をどうぞ。

ハンガー

ハンガー

ロボットも踊りだすPVも楽しげ。