2010年紅白歌合戦の雑感

2011年も始まりましたのでNHK紅白歌合戦の雑感を。
ひと言で言うと可も無く不可も無い様な内容。大きな盛り上がりも無ければ、突っ込みどころもさほど多くない感じでした。大野君が長いこと画面から不在だったのは怪物君のメークに時間を取っていただけで、別に尋常でない顔色の悪さからくる体調不良でトイレに篭っているのではなかった事と、HYが白組なのが良く分からなかったという事くらいでしょうか。そんなHYの「時をこえ」はBEGINがカバーすれば全て丸く収まるような気がしています。
白組が6年連続で勝利という結果で終わった今年の紅白ですが、嵐が司会の時点でゲスト審査員以外の票はかなり白組に流れると思いますし、特別出演のはずの桑田佳祐も見ている方からすれば白組扱いで認識されると思いますので、かなり不利な展開が予め予想されたのですが、結局予想通りの展開になった印象を受けます。また、何度も書いている事ですが、深刻なのは紅組の人材不足で、トリを務められる歌唱力に裏打ちされたアーティストも少なく、全体的に非常に小粒な印象を受けました。絢香中島美嘉大塚愛木村カエラ辺りの中堅どころが諸事情で出演できなかった事を差し引いても非常に厳しい印象を受けます。本来なら水森かおり氷川きよしのポジションに押し上げられていないといけないと思うので、早くご当地ソング以外の世間が認識する大ヒット曲が欲しいところです。白組にはまだまだ紅白に参加していない大物アーティストも紅組に比べると圧倒的に多いですし、トリが務められるアーティストも多くいて、例えば五木ひろしにしても氷川きよしにしても十分な格があって、ブッキングに困る事がない状態にあります。こうなってくると今年から紅組は高橋みなみに司会をさせて更なるAKBの総動員とか、あまり現実味でないドーピング的な企画やブッキングを用意しないと白組に勝つのは難しいのではないかと思います。
ジャニーズに目を移せば、TOKIOが「NaNaNa (太陽なんていらねぇ)」ではなく「advance」だった事に若干の不満は残るのですが(まあ年末かなり歌いましたしね)、それ以外は概ね良いパフォーマンスだったと思います。NYCはカバー曲を含みましたがそれなりの盛り上がりを見せましたし、嵐がダンスが圧倒的に映える「Monster」をメインに据えて魅せる事に割り切った選択をした事も、歌に関しては「僕たちのふるさと ニッポン」で披露する事で、上手くバランスが取れた結果に繋がっていました。年末の「さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマススペシャル」で何でもありの笑いを提供し、自分の様に下世話な人間を感心させたSMAPは 「This is love」から「Triangle」のメドレーで無難にトリを務めながら、懐メロにならないバランスを保っていました。個人的には紅白のトリの為にある様な楽曲「We are SMAP!」をやって欲しかったのですが、それは来年以降に期待しておきます。でも「We are SMAP!」なんてタイトルは辞めとけば良かったのにという気持ちは多大にありますが。
個人的な優秀賞は大掛かりな演出やセット展開が少なかった今年の紅白で目を引いたPerfumeの「ねぇ」のダンス。やっぱり視覚的にダンススキルが際立つ曲ですし、単体でのパフォーマンスに注目が集まれば集まるほどに彼女等は光りますね。でも世間的な優秀賞は間違いなく植村花菜の「トイレの神様」。この時期の年配の方の井戸端会議に耳を澄ましてみれば、出てくる頻度でいえば群を抜いています。あのモチーフですから当然といえば当然。
個人的なMVPは加山雄三の「若大将50年! スペシャルメドレー」。若大将シリーズが50周年という節目でという事もあって久々の選出でしたが、トリに持ってきても違和感の無い内容でした。実は新曲の「座・ロンリーハーツ親父バンド」も非常に良い曲ですし、「君といつまでも」のカップリングは「夜空の星」だった訳ですから、この2曲から「座・ロンリーハーツ親父バンド」への3曲メドレーで構成してトリを飾っても面白かったと思います。でも「座・ロンリーハーツ親父バンド」なんてタイトルは辞めとけば良かったのにという気持ちは多大にありますが。
以上紅白雑感です。
裏番組の「K-1 Dynamite!!」は縮小傾向の波に飲まれた様なしょっぱい内容。唯一、長島☆自演乙☆雄一郎の当て感の素晴らしさに溜飲を下げました。あの試合だけは歴史に残る漫画の様な試合だったので、未見の方にはぜひ見て頂きたい。ダウンタウンガキの使いやあらへんで大晦日年越しSP「笑ってはいけないスパイ24時」 は未だ見終わっていませんし、果たして見終えられるのかが非常に不安。