杏の『LIGHTS』が照らし出したボーカリストの才能
以前もちょっぴり紹介した杏のデビューアルバムでありカバーアルバムである『LIGHTS』をご紹介。
紹介した時点で収録曲の一曲が発表になっていなかったのですが、その一曲がスピッツの「謝々!」だったので、これはもう購入せざるを得ませんでした。 しかも亀田誠治がプロデュースしてベースを引いている「愛は勝つ」「LIGHTS~You Light Up My Life~」「どんなときも。」が収録され(「謝々!」には現プロデューサーという立場から敢えて係わっていないのだと思う。逆に槇原敬之と結び付きの強い本間昭光が「どんなときも。」に係わっていないように。)、KAN+スピッツという非常に結びつきの強い二組(KANと草野マサムネは出身高校も同じ)のアーティストの楽曲を知ってか知らずか選んでいる杏のセンスははんぱねぇと思うわけであります。前回ご紹介した時も触れた様に選曲の妙が光る今回の『LIGHTS』というアルバムですが、同時に表現者としての杏の素晴らしさを感じる事の出来る一枚に仕上がっていました。ボーカリストしての杏はまだまだ未完成な部分が目立つのですが、何よりも真直ぐで嫌味のない通る声が耳に残り、杏のボーカルの素材の良さが際立っています。ほとんどの楽曲がバラード調にアレンジされており、ボーカリストを活かした亀田誠治や本間昭光のプロデュースも正しく機能している為、『LIGHTS』は杏の歌に光を当てた良質のボーカルアルバムに仕上がっています。
来年にはオリジナルアルバムも計画されている様ですが、初回限定盤には収録曲に言葉を添えた冊子が添えられていますし、多分彼女は自分で歌詞を書くのではないかと思っています。『LIGHTS』に収録の楽曲の中では唯一「謝々!」がアップテンポで、非常に違和感無く収まっている事からも、その辺の適正も打ち出せていますし、オリジナルアルバムの楽曲の質次第で、様々な楽曲をこなす事が出来ると思います。
『LIGHTS』は片手間に杏が音楽に取り組んでいる訳ではない事を証明出来た一枚だと思いますし、彼女が歌で大きな成功を収めても全く不思議ではないと感じられる一枚に仕上がっています。歌手、そして表現者としての杏に興味が出た方はぜひどうぞ。
- アーティスト: 杏
- 出版社/メーカー: ERJ
- 発売日: 2010/11/10
- メディア: CD
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