Perfumeの「VOICE」で繋げていく次の声

いまだに前シングル不自然なガール/ナチュラルに恋してを買えていない不機嫌なボーイでもある自分ですので、今回のシングル「VOICE」は発売アナウンスと同時にAmazonに予約。無事購入出来たのでとりあえず感想を。
「VOICE」を聞いて思ったのは今までのPerfumeに比べると、歌詞の世界観が少しだけ広がったという事。どちらかと言えば、ある程度テーマを絞り込んだ歌詞の世界観が印象的だったPerfumeに比べると若干抽象的で、オリエンタルなムードのサウンドも手伝って、メッセージソングというか対象を広げた様な歌詞にも聞こえます。つまり恋愛をモチーフにした歌詞からほんの少しだけ(このほんの少しだけというのがポイント)踏み出す事によって、世界観をちょっぴり広げており、この辺に今後のPerfumeの方向性が暗示されている様にも思います。ユニゾンで構成された歌はメロディを含めてどこか童謡的で、本人達も意識している通り歌モノの楽曲ではあるものの、love the worldと同じく印象的なシンセサイザーのフレーズ(というか敢えて近似感のあるフレーズや言葉をチョイスしている)もあり、楽曲自体もキャッチーでクオリティは高いと思います。
確かにサウンドの目新しさは無く、大きな進化を見せたサウンドではない為、賛否が別れるところなのかも知れませんが、この辺はPerfumeに何を求めるかというところではないかと思います。その点ではラップという新境地にトライしている「575」の方が意欲的な楽曲だとされると思うのですが、トラックのみを聞いてみると、非常に中田ヤスタカ的なサウンドではあります。ですので両曲ともに、和やアジアのテイストという共通項はあれど、抜本的なサウンドに変化は見られていない分、歌詞を含めた表現方法に進化を求めたシングルではないかという気がしています。
個人的には中田ヤスタカにはメロディメーカーやトラックメーカーとしての才能よりも、コンセプトを構築していくプロデューサーとしての能力が優れていると感じていて、中田ヤスタカとの蜜月な関係が続く限り、劇的な変化を求めるのは少し酷ではないかと思っていますので、今後のPerfumeの可能性をサウンド面では無い部分で、示してきた事に違和感は感じません。
あと、今後のPerfumeの方向性も少し考えてみます。
個人的には国内に限定するなら中田ヤスタカ以外のプロデューサーがしっかりとはまるというのは想像し難いし、それほど選択肢があるジャンルでもないのであまり考えられません。逆に中田ヤスタカが他のアーティストをプロデュースして、セールスを含めてPerfume以上の成果を残せるかといえば、それも限りなく難しいと思います。この点からも両者の関係は一蓮托生であるとも言え、お互いの自立というか、アーティストとしての自我が抑えきれなくならないのであれば、このパートナー関係を解消する理由はないような気もしています。じゃあ、このままの関係性が永遠に続くのかといえばそれはありえない訳で、ある程度大きな変化が近々見られてくるのではないかと思います。それはサウンド面の大きな変化というより、世界観の変化であったり、見せ方の変化だったりするのではないかと思います。例えばPerfumeのメンバーの単体売りは現実問題あまり考えられなくとも、フューチャリングという形で他のアーティストやバンドとの外仕事が出てくる可能性はあるのではないかと思いますし、そのチョイスを間違えなければ大怪我をする事はない様な気がします。最適な加工をされているとはいえ、声の素材の良さは間違いないですので、そういった方向から徐々に可能性を探り、次に繋いでいくという事は一つの可能性としてありえると思います。あとは思い切って海外に投げるというのは誰しも考えるところで、Chemical Brothers featuring PerfumeでもMark Ronson featuring Perfumeでも何でも良いので、一度聞いてみたいのは確か。

という事で彼女たちの「VOICE」は今後はもっと様々な活かされ方をするのではないか。そんな事を「VOICE」を聞いて思ったりなんだり。綺麗にまとまったのでこの辺で。
ネットショップでは出荷を絞られている為、軒並み売り切れの初回限定盤。

VOICE(初回限定盤)(DVD付)

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ジャケットのビジュアル的にはこちらの方が欲しくなるという罠。
VOICE(通常盤)

VOICE(通常盤)

とんねるずのみなさんのおかげでしたで良く見かけた風景。もう中学生のネタの完成形でもある。