Kylie Minogueの『Aphrodite』は教科書通りのポップミュージック集

Kylie Minogue『Aphrodite』がそのタイトル通りの女神っぷりだったのでご紹介。
一回聞いた感じでは「姉さんバッキバキやないですか」と思わず関西弁を使いたくなるほどの、とことん開放感のある突き抜けたアルバムだなという印象で、繰り返し聞いても、そのポップミュージックを突き詰めたような徹底したコンセプトには感心しきりです。
今作『Aphrodite』には、Calvin Harris、Jake Shears(Scissor Sisters)、Pascal Gabriel、 Lucas Secon、Kish MauveなどからNerina PallotTim Rice-Oxley(Keaneの様に少々意外な人選の、豪華な作家陣が参加しているとの事で、もう少しバラエティに富んだアルバムになるかと思ったのですが、全ての楽曲が一気呵成に同じ方向に向かうという、非常にぶれていない芯の通ったアルバムに仕上がっているのが大きな特徴だと思います。前作『X』がバラエティに富んだ作品で「Wow」などのシングルの楽曲が映えていた事に比べると、『Aphrodite』は多少一本調子に感じる部分もあるかもしれないですし、飛び抜けた楽曲がないのは確かなのですが、ハイテンションのままに一気に聞かせる凄まじい勢いを持ったアルバムで、全ての楽曲のクオリティが平均以上の高いところでまとまったその内容は流石の仕上がりだと思います。先行シングル「All the Lovers」はPVの話題が先行しましたが、Erasureを下敷きにした様なサウンドで、コンセプトから考えても凄く真っ当。他にもDaft Punkな要素であったり、トランスの要素だったり、80年代〜2000年代までのダンスミュージック・ポップミュージックを総括した様なサウンドに仕上がっている事からも、Kylie Minogueの責任感というか揺らぐ事ない強い意志を感じるわけで、その点もKylie Minogueが現代のポップアイコンであり、女神的な存在であり続けるに値する大きな要因になっていると思います。
ほとんどの楽曲が3分台のコンパクトな楽曲で、12曲で44分程度のトータルタイムはまさに教科書通りですが、このアルバムに最もシックリくる時間構成。
自分はDVD付を購入。なぜか「All the Lovers」のPVが収録されていないのだけが残念。

Aphrodite

Aphrodite

PVの世界観を再現したライブも濃密。