22-20sの『Shake/Shiver/Moan』が見せた再結成の形
再結成しFUJI ROCK FESTIVAL '10で来日を果す22-20sの『Shake/Shiver/Moan』をご紹介。再結成といっても22-20sは2004年にアルバム『22-20s』を発表後に解散していますので、今回のアルバムは再出発という印象が強いのですが、ブランクは全く感じられない内容に仕上がっていました。
デビューアルバム『22-20s』はガレージ色も強いブルーズロックで、当時デビューしたバンドの中でも異彩を放っていました。残念な事に『22-20s』の国内盤は今は懐かしいコピーコントロールCDで発売されており、UK盤の非CCCDを探して購入したのを良く覚えています。そんな22-20sですが 再出発となった『Shake/Shiver/Moan』では、サウンドに大きな変化が見られます。22-20sの圧倒的な特徴であったガレージ・ブルーズ色が薄れ、その代わりに普遍的なメロディと柔らかなサウンドが大胆に取り入れられています。個人的にはこの変化は肯定したいと思っていて、抑えられたガレージ・ブルーズ色がアクセントとして機能する事で、新たなバランスが生み出されていると思います。特に『Shake/Shiver/Moan』に収録されている「Talk to Me」は従来の22-20sの魅力と新境地が結びついた良曲だと思うし、以前の22-20sでは考えられない優しく穏やかなメロディの「Ocean」の様な路線も新鮮に感じ、『Shake/Shiver/Moan』の中でも鮮烈な印象を残しています。全体を通しても『Shake/Shiver/Moan』に収録されている楽曲はリラックスしたムードのものが目立ち(この辺は新メンバーとしてギターが加わり、バンドが四人編成になった事も大きいと思う)、確かにデビュー作に見られた緊迫感というかヒリヒリとした魅力は減退しているのですが、その辺を差し引いたとしても、22-20sが披露してくれた新境地の方を支持したいと思いますし、『Shake/Shiver/Moan』という作品で一気にシーンに帰還した事を素直に歓迎したいと思います。
何よりも『Shake/Shiver/Moan』は新たなリスナーを獲得出来る内容だと思いますし、未だ若い彼らの今後の音楽活動に光が見える内容だと思うので、興味のある方はぜひどうぞ。ライブに定評がある22-20sだけにフジロックでのパフォーマンスも期待できると思います。
価格も安いっす。
- アーティスト: 22-20s,Dan Hare,Martin Trimble,Charly Coombes,Glen Bartup,James Irving
- 出版社/メーカー: Tbd Records
- 発売日: 2010/06/21
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 4回
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