Laura Marlingが『I Speak Because I Can』で聞かせる大人び過ぎたサウンド

Laura Marlingのセカンドアルバム『I Speak Because I Can』がヒットを飛ばした事を記念してご紹介。
Laura Marlingは2007年に17歳でデビューし、翌年には『Alas, I Cannot Swim』を発売。Mercury Prize(マーキュリー・プライズ)にもノミネートされ、一躍有名になったのですが、今作『I Speak Because I Can』は全英4位と予想以上のセールスを記録し、更に一足飛びにステップアップしたように思います。
前作『Alas, I Cannot Swim』の時点で大人びた印象はあったのですが、時折17〜18歳らしいチャームが見られたのに比べて、今作は憂いを帯びながらも完全に成熟したボーカルとサウンドを聞かせてくれているのが印象的で、味わい深い作品に『I Speak Because I Can』は仕上がっています。
Ryan Adamsとの仕事が印象に残るEthan Johnsをプロデューサーに起用している事からも分かる通り、今作『I Speak Because I Can』Laura Marlingが目指したのは、一気にサウンドの深みを増したトラッドミュージックで、バンジョーやストリングスの響きが存在感を増し、歌詞の世界観も含めて理想的なトラッド・フォークを作り上げています。個人的にはもう少しポップな側面を残しているかと思っていたので、ちょっぴり寂しくもありますが、このままKate Rusbyの様な存在になってくれるのであれば、それはそれで非常に嬉しい事なので、今後も見守りたいと思います。
ジャケット写真のイメージ通り、Laura Marlingはささくれ立った印象と柔和な一面が表裏一体になっているアーティストで、シンプルで優しくて囁く様な歌声には力強さが宿り、その強い目力からもSSWとしての揺らぎ無い芯を感じます。『I Speak Because I Can』Laura Marlingの確かな意思と確実な成長を感じる事が出来る作品になっていますので、ピンと来た方はぜひどうぞ。

I Speak Because I Can

I Speak Because I Can