Lightspeed Championの『Life Is Sweet! Nice to Meet You』で増したもの

Lightspeed Champion待望のセカンドアルバム『Life Is Sweet! Nice to Meet You』が発売されているのでご紹介。

四つの楽章からなるコンセプチュアルなアルバムである『Life Is Sweet! Nice to Meet You』は、どちらかと言えばアナログレコードを意識した様な構成(当然アナログレコードのフォーマットでも発売されている)で、導入部となるパートやインストを挟みながらアルバムは進行するのですが、Lightspeed Championらしい暖かみのあるサウンドは健在。 プロデューサーがGnarls BarkleyAnimal Collectiveを手掛けたBen Allenという事で、Lightspeed Championの持ち味を活かしきれない方向に進むのではないかと少々不安であったのですが、その不安を吹き飛ばす良作に仕上がっていたのでひと安心。前作『Falling off the Lavender Bridge』がしなやかなアコースティックの響きが印象的で柔らかいアルバムだったのに比べ、『Life Is Sweet! Nice to Meet You』は全体を通して若干パワーポップ気味というか音の粗さや勢いが見られるアルバムに仕上がっています。ただ、その勢いがアラになっているわけではなく、今までのソウルさと一味違う新たなソウルさを生み出し、アクセントになっている部分もあるので、全体を通せば決してマイナスになっているわけではなく、個々の楽曲が持っているメロディのポップさは今作『Life Is Sweet! Nice to Meet You』が上回っている事もあって、耳馴染みの良さは引き継がれています。特に「Marlene」「Madame Van Damme」あたりの楽曲は素晴らしくポップで、底知れぬメロディメーカーとしての資質を遺憾なく発揮しています。
Lightspeed Championがセカンドアルバムにして、完全にシンガーソングライターとしてのポジションを確立した事がハッキリと分かる作品を生み出した事は喜ぶべき事ですが、まだまだ日本のリスナーには届いていないと思うので、ぜひ聞いてみてください。日本のフェスに登場するタイミングもそろそろではないかと思います。
国内盤も出ていますしね。

ライフ・イズ・スウィート!ナイス・トゥ・ミート・ユー

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