2010年に見た台湾の音楽事情

折角台湾に行ってきたので、台湾の音楽事情を少しだけ。
初めて台湾に行ってから10年程経っているので、その間に台湾の音楽業界も随分変わりました。台湾に行く際には必ずCDショップを回って音源を買っていたのですが、今後はその機会は減りそう。以前は価格も日本の輸入盤を取り扱う店舗よりも随分安価でした。例えば日本で1,500円以上のCDが1,000円〜1,200円でしたし、セール商品を上手く買えばかなりの割安感がありました。もちろん中身は通常の輸入盤と変わり無いのですが、CDの帯(というか表面を覆っているカバー)が独自のもので、漢字表記のアーティスト名(最近のアーティストならスーザン・ボイルが蘇珊波爾とか)を見ているだけで楽しいし、日本の国内盤のCDと違い、どのCDにも定価が無く各店舗で値段が違うので、CDショップを比べながら見て回る事自体が楽しい。今はamazonを筆頭に簡単に輸入盤が割安で手に入るサイトも沢山ありますので、昨今の円高にも関わらず、台湾においての輸入盤の価格的な魅力は薄れてしまった様に思います。ちなみに、日本のアーティストの正規の台湾(アジア)盤は日本の半値程度なので、お買い得度は変わらず高いです(もちろん、正規とはいえ台湾盤は日本国内での販売は禁止されています。海賊盤を扱っているお店もありますが、これは当然日本に持ち込む事自体がアウト)。
自分が良く行っていた玫瑰唱片(自分はRose Recordsと呼んでたけど曽我部恵一とは無関係)も大眾唱片と合併し(日本でいえばTOWER RECORDSHMVが合併するようなもの)、台湾では全体的にCDショップは縮小傾向で、日本の音楽業界が直面した大きな流れの変化が台湾にも起こっています。端的に言ってしまえば日本と同じでCDが売れていないのだと思います。今回立ち寄れた2店舗もアンテナショップといった趣きの小さな店舗で、CDを見て回るというより、流行の音楽を絞り込んで置いている印象でした。

印が付いているのは店員に「もっと大きな店舗を教えて」と聞いたから。

合併して大眾/玫瑰唱片になっているサイト↓
http://www.g-music.com.tw/
台湾にはCDシングルという概念がほとんど無いですが、日本と同じ様に曲単位で聞いていくスタイルではダウンロード販売が圧倒的なシェアになっているだろうし、今後も音楽配信中心の流れには歯止めは効かないでしょう。自分自身、その大きな波に自分がどこまで抵抗出来るかは分かりませんが、出来る限り抵抗しようかと思っています。
そんな中、NMEの年間ベストのコーナーを作ったり、She & Himを試聴機に入れて面置きしたりしている台湾の実店舗及び音楽業界の意欲は衰えて無いと思う。偉いぞ台湾。
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