Emmy the Greatの『First Love』に収録された充実のボーナストラック

Emmy the Greatのデビューアルバムである『First Love』の待望の国内盤が発売になったので改めてご紹介。輸入盤が出たときのレビューはこちらから↓
Emmy The Greatの『First Love』が耳を捕らえる幾つかの理由

今年2月に発売されたアルバム『First Love』に、8月に発売された「Edward」(EP)の4曲+デジタルや7インチで発売されていたシングルのカップリング等の楽曲群の9曲をボーナストラックとして追加収録されたのが今回の国内盤で、2枚組(22曲入り)に相当する程のボリュームで発売になっています。特筆すべきはAshのカバーである「Burn Baby Burn」Pixiesのカバーである「Where Is My Mind?」(この曲はMy Speace等で聞けたと思うのですが、音源としては初めての収録ですかね、多分)が当ブログのアドバイス通りに収録されている事で、彼女らしい伸びやかな声で原曲のメロディの良さを増幅させた様なチャーミングなカバー。
今回歌詞カードを眺めていて思ったのは、その歌詞が非常に現代のヒップホップ的なアプローチをしているという事で、固有名詞が盛り込まれて現実的な詩集でもある『First Love』の歌詞からはLil Wayne好きのEmmy the Greatの別の側面もうかがう事が出来ると思います。ヒップホップを消化しながらもジャンルは至極オーソドックスなフォークソング『First Love』は構成されていて、Kate BushJenny Lewisを敬愛している彼女なのに、カバーしているのはロックバンドの曲なんて、出来すぎているようだけどやっぱり素敵ではないかと思います。Emmy the Greatというアーティストは非常にクレバーなアーティストとは思っていましたが、ボーナストラックが収録されている『First Love』を聞いてその気持ちは大きくなりましたし、イギリスの他の女性アーティストと比べても飛び抜けた魅力を持っていると思います。

ちなみにEmmy the Great『First Love』はYOSHIMOTO R and C CO.,LTD(吉本興業)から発売になっていて、アーティストリストをみるとエミー・ザ・グレイトの少し上にエドはるみがあったり、ダニエル・イン・ザ・ライオンズ・デンの上にディラン&キャサリン、横にはチュートリアルが並んでいるのを見ると、何だかな・・・という気にはなりますが、この洋楽不況の中に飛び込んできた吉本興業には敬意を表したいと思います。その心意気に応えてぜひぜひ買ってあげてください。

First Love

First Love

身も蓋もなく書いてしまえば、吉本の人気芸人にサンプル配って宣伝させればあっという間にヒットすると思うんですけどね。どうでしょうか?吉本さん。