Sugar Rayの夏アルバム『Music for Cougars』とweezerの関連性

Sugar Rayのお久しぶりの新作『Music for Cougars』がそのジャケットと違わずの夏アルバムだったのでご紹介。
Sugar Rayのアルバム発売は2005年に『The Best of Sugar Ray』というベストアルバムの発売を挟んだものの、オリジナルアルバムとしては2003年の『In the Pursuit of Leisure』以来の6年振りなので、かなり久しぶりのアルバムリリースという事になります。Sugar Rayといえばデビュー時は所謂ミクスチャー系のバンドとして認識されていたものの、「Every Morning」の大ヒットで徐々にポップなテイストの強い普遍的なロックバンドへシフトしてきたと思うのですが、その良質なメロディがクローズアップされる事で新しいファン層も獲得してきたわけで、日本でもその辺が受け入れられていたのだと思います。
今作『Music for Cougars』は冒頭からCollie Buddzをゲストに迎えたミクスチャーというよりも完全なレゲエ・ダンスホール調の曲で幕を開ける為、今までのSugar Rayのイメージからすると少々肩透かしな印象を受けます。そこからシングルにもなっている「Boardwalk」を含めた序盤はゆったりとした楽曲で展開されていくのですが、中盤からはミドルテンポのロック調の楽曲が続き、Sugar Rayの武器でもあるメロウな楽曲が徐々に威力を発揮してきます。Donavon Frankenreiterをゲストとして召喚している事からも分かるようにサーフ・ミュージック・シーンを意識した様な部分もあり、激しいロックチューンは影を潜めているのですが、ジワジワと染みる様な楽曲が多く、全体を通せばSugar Ray流のロックサウンド満載のアルバムになっているといえると思います。
アルバムの中でポイントになっているのはweezerの未発表曲のカバーである「Love Is the Answer」が収録されている点で、この曲はアルバム『Make Believe』の時期のものらしく、どういう経緯で収録される事になったのかは不明ですが、楽曲自体は完全なweezer節で、しかもMark McGrathの歌唱方法もRivers Cuomo風になっているので、ファンの方は一聴する価値はあります(このニュースではRivers Cuomoがゲストで参加との事でしたが、ブックレットに特に記載を見つけられなかったのでどの部分で参加しているかは不明)。
それにしてもSugar Rayもここまで夏のイメージが強いバンドとして定着してしまうと、日本の某バンド(まあTUBE)の様に夏バンドとして打ち出していくのも良いのかもしれないですね。それ程に真っ盛りな一枚ですし、今後のSugar Rayの方向性を決定付ける契機になる様な一枚になっていると思います。

Music for Cougars

Music for Cougars

Sugar Ray - Boardwalk(音声のみ)