Elizabeth & the Catapultの『Taller Children』で感じた新たな歌姫の予感

Elizabeth & the Catapult『Taller Children』のプロデュースがまたしてもMike Mogisだったのでご紹介。実はElizabeth & the Catapult『Taller Children』のプロデュースがMike Mogisだったのを気付かずに聞いていて、レビューを書く予定は無かったのですが急遽書く事にしました。
Elizabeth & the Catapultはニューヨークはブルックリン出身のバンドで、その名の通りボーカルのElizabeth Zimanを中心に結成されたバンドです。楽曲もElizabeth Zimanが手掛けている為、お飾りのボーカリストではなく完全に彼女が主体のバンド。ちなみに彼女はPatti Austinのツアーにも参加した経験もあるそうで、その才能は以前より評価されているようです。
Elizabeth & the Catapultは三人組で一応ロックバンドという括りになるのかもしれませんが、内容的にはジャズやフォークの要素も強く(レーべルもUniversal傘下のVerveですしね)、全体的にサウンドは落ち着いた印象を受けます。ただElizabeth Zimanのボーカル自体は澄んでいて明るいトーンですので、聞き難さは全くありません。むしろポップで軽やかな印象の方が耳に残り、洗練されたサウンドというより人懐っこいタイプのサウンドだと思います。イメージ的には気だるくないNorah Jonesといった感じで、Elizabeth Zimanのボーカルは確かな魅力に溢れていますので、歌姫の素質は十分過ぎる程に発揮されているといえます。実際にMike Mogisのプロデュースもボーカルにスポットが当たる様な仕上がりになっていますし(個人的にはもう少しボーカルを抑えても良かったかなと思いますが)、純粋に女性ボーカルもののアルバムとして楽しむ事が出来ます。
という事で『Taller Children』Elizabeth Zimanの事を中心に書かざるを得ない内容で、バンド名義にする意味はあるのかといえばその辺は微妙なところですが、演奏の面ではかなりしっかりとしていますし、Elizabeth & the Catapultのバンドしてのまとまりは高いですので、今後はバンドとしての存在感も増すのではないかと思います。
今年になって買ったアルバムのプロデュースにはMike Mogisの名前が目立ち、個人的にはBright Eyesとの仕事よりLightspeed Champion『Falling Off the Lavender Bridge』のプロデュースの仕事の印象が強くて注目していたのですが、ここにきて売れっ子プロデューサーとしての地位を確立した感があります。今後もThe Monsters of Folkなどの作品も控えていますし、更に注目が集まるのではないでしょうか。

Taller Children

Taller Children

Elizabeth & the Catapult / Everybody Knows