Ben Folds の『Stems & Seeds』は新企画満載の風変わりなお得盤
Ben Foldsが『Stems & Seeds』というタイトルの一風変わった企画ながら言い得て妙な作品を発表していたのでご紹介。
Ben Foldsは昨年『Way To Normal』というアルバムを発表しており、これが中々の好盤だったのですが、今回のアルバムは『Way To Normal』をリミックスし直した『Seeds』とGarageband形式のマルチトラックを収録した『Stems』との二枚組という変わった形式で発売されています。GaragebandはMacのソフトで音源を自由にリミックス出来るのですが、残念ながらWindowsには対応になっていない様で自分は試す事が出来ません。いつかMac買ってやります。一方『Way To Normal』を再構築した『Seeds』の内容は従来の収録曲+ボーナストラック等の計20曲入りになっており、輸入盤を買っていた自分にとっては、良曲の国内盤のボーナストラックも収録されており嬉しいところ。しかもどうやら、あえて収録されていた楽曲の音圧を下げて収録しなおしているようで、全体に手が加えられています。これは現代のリスナー環境の主流に合わせて大きめの音圧で収録したものの、あまり圧縮していない音圧でのバーションのリクエストが多った為で、それに応えたとの事。正直『Way To Normal』を聞いた時に「Hiroshima」が一曲目で少し浮いてる感じがして、ちょっぴり物足りなさがあったのですが、このボリュームと曲順で聞くと再構築されただけあって満腹感もあり、全体的にアルバムの統一感が増した事も手伝ってより楽しむ事が出来ました。恐らくこの『Stems & Seeds』のバージョンで聞いた方がボーカルが際立って聞こえるのだと思います。
『Way To Normal』のレビューを書いていなかったので少し内容にも触れますが、「Hiroshima」は最初聞いた時にBlurみたいだなと思ったほどポップで印象に残る楽曲(ちょっとDamon AlbarnとBen Foldsの声質って似てるんですよね)で、バンドサウンドよりの新境地といえる楽曲。個人的にこのアルバムの目玉はRegina Spektorと夢の共演を果した「You Don't Know Me」(『Stems & Seeds』に収録のConan O'Brien Rehearsalバージョンも素敵です)で、これはアンジェラ・アキとの共演以上に注目されるべきでしょう。更にはBen Folds節全開のピアノが跳ねる「Dr. Yang」や名バラード「Cologne」などの楽曲と実験的な要素を持った楽曲がバランス良く収録されており、非常に安定感のある一枚になっています。曲数と値段を考えれば、Macユーザーやコアなファンでなくとも『Way To Normal』より『Stems & Seeds』を購入した方がお得感があるのではないかと思うので未購入の方はどうぞ。
ちなみに「Hiroshima」の日本語バーションはもうすぐ発売されるベスト盤(Ben Folds Five時代の楽曲も含む)に収録されますが、こちらにも収録されていますし安価なのでヘンテコ日本語カバー収集家にもこちらの『Stems & Seeds』をお勧め。
ベン・フォールズ・ファイル コンプリート・ベスト・オブ・ベン・フォールズ・ファイヴ&ベン・フォールズ(初回生産限定盤)(DVD付)
- アーティスト: ベン・フォールズ,ベン・フォールズ・ファイヴ,アンジェラ・アキ
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- 発売日: 2009/02/25
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ちなみに『Ben Folds Presents:University a Cappella!』という作品も発売予定で、これは大学生によるBen Foldsの楽曲をアカペラで歌った曲を収録したもので、コンテストの中から選ばれた18曲を収録との事。
Ben Folds Presents: University a Cappella
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このように様々な企画やサウンドを仕掛けているBen Foldsを見直すと共に、リスナーとの共生の場を作り続けている事にも共感。90年代以降を代表するピアノマンとして、未来永劫弾き続けて欲しいもんです。