Alphabeatの『Alphabeat』から只ならぬ意思を感じた

来年いよいよ10周年を迎えるロックイベントOrangeでDJとして活躍するbe'p氏が絶賛し、お薦めされていたAlphabeat『Alphabeat』の国内盤を遅ればせながら購入したのでご紹介。

結論、このアルバム凄く良いです。特に全曲シングルになっている1曲目から5曲目の楽曲が素晴らしい。なのにAlphabeatってあんまり日本で盛り上がっている感じを受けないのですが、クラブなんかでドンドンかかっていないんですかね?だとしたら残念。この『Alphabeat』というアルバムから一晩に一回はかかっても不思議ではないほど、ポップでフロア向きのアルバムです。自分はCSSThe Ting Tingsなんかより好き。恐らくそれは、Alphabeatがファンクの要素を強く持っている為で(実際にメンバーはChicからの影響を公言している)、全体的にはもろに80年代志向といえばそうなんですが、Alphabeatはその若さのわりに他のバンドより骨格がシッカリしている印象を受けます。それは彼等の音楽に影響を与えたバックグラウンドに関係が深いと思いますし、デンマークから飛び出してきた彼等の確固たる意志が反映されているのではないかと思います。歌詞に目を移しても明るい楽曲のわりには皮肉やオマージュ、社会性を含んだものもあり、その辺にも彼等の持っている意思を見て取る事が出来ます。また、PIL「Public Image」をポップな口笛ソングに変貌させたカバーの様にAlphabeatの独特のポップセンスが光る楽曲が数多く、男女ツインボーカルである事がAlphabeatのポップ度をより一層加速させています。
国内盤のボーナストラックに入っているBimbo JonesのリミックスがSpace Cowboy「I Would Die 4 U」(原曲は言わずもがなPrince)の様に仕上がっている事にも繋がりや意思を感じるし(Alphabeatのバンド名の由来はPrince「Alphabet St.」から。この曲はThe Jesus and Mary Chainもカバーしていたな〜)、その繋がりが80年代のサウンドとも正しくリンクしている事が素晴らしいと思います。

ボーナストラックの出来も良いしリミックスが入っているので国内盤の方がお得。買い逃して方はどうぞ。アートワークも素敵。

アルファビート

アルファビート

Alphabeat - Fascination