Brian Wilsonの新作『That Lucky Old Sun』はホントに「This is Brian Wilson」ですね

『That Lucky Old Sun』はあの『SMiLE』までの苦悩の道程は一体なんだったのだろうと思わざるを得ないほど突き抜けた作品になっており吃驚した。
自伝的なコンセプトアルバムという前情報はあったものの、予想を遥かに上回る程のカリフォルニアとThe Beach Boysがこの作品には息づいている。歌詞にもBeach Boys的な単語がふんだんに出てくるし、もちろんBrian Wilsonは意識的にそれをやっているのだけど、そのコンセプトでパロディになるわけでもなくここまでリアルに瑞々しい作品が生み出されれるとは想像もつかなかった。小学生の様な感想しか出てこなくて申し訳無いけど、まるでBrian Wilsonが空からあの時代の風情を眺めながら作ったような作品。
お馴染みのVan Dyke ParksScott BennettDarian SahanajaJeff Foskett等で脇をガッチリと固めて作られた『That Lucky Old Sun』は、『SMiLE』が踏絵的作品だったBrian Wilsonにしてみれば、それを経て突き抜けた感はあったのだろうけど、本当にこの作品で引退を宣言してもおかしくないくらいの「This is Brian Wilsonが詰め込まれた38分の集大成に感じる。

そしてこの作品のライナーには奥さんや子供達、ファミリー、友人達への感謝の気持ちが綴られている(だからこそますます引退しそうな雰囲気)。

To my loving wife,Melinda,forever you will be my surfer girl.

ホロリとくる。
Brian Wilsonは1942年生まれだから66歳か。凄まじく素晴らしい歳の取り方してますよね。そういえばPaul McCartneyも1942年生まれ(誕生日二日違い)。外国の1942年生まれは凄いね。

ブックレットや装丁も良い感じなので是非手にとって聴いて頂きたい作品(自分はDVD付輸入盤買いましたが国内盤も出ています)。

ラッキー・オールド・サン(DVD付)

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