Jarvis Cockerが『Further Complications』で果したカムバックと重厚感
Jarvis Cockerのソロアルバム『Further Complications』がManic Street Preachersの最新作『Journal For Plague Lovers』と同じくプロデューサーにSteve Albiniを起用しているとの事で購入。ご紹介。
すっかり表舞台から姿を消した感のあったJarvis Cockerですが、ソロアルバムの二作目が発売になりました。前作『Jarvis』から比べるとアグレッシブというかすっかりロックサウンドになっていて、この辺がSteve Albiniを起用した理由かと思います。個人的にはこの変化はありだと思っていて、Jarvis Cockerが率いていたバンドPulpの音がアルバムを重ねる毎に暗くなってポップ度とともに軽薄さが薄れていった事から比べると、前向きな変化なのだと感じました。シングル(ダウンロード販売のみでしたが6月に7インチレコードでも発売)にもなっている「Angela」では力強さとポップさを兼ね備えた楽曲を披露しており、明らかなシフトチェンジを感じる事が出来るのですが、Pulp時代のピコピコした軽快なポップサウンドから比べると全体的にはサウンドは重たく(左右のスピーカーにギターを振り分けて意識的にサウンドに重厚感を出している)、ピアノや管楽器が鳴り響いたりとソウルな側面も打ち出しており、全く逆方向のベクトルでアルバムが展開されていきます。しかしながらJarvis Cockerのストーリーテーラー振りとポップセンスは健在で、カッチリとまとまったサウンドプロダクションが今作『Further Complications』では功を奏していますし、本格的なカムバック作として英国では受け入れられると思います。
実際にプレスでの評価は概ね好評で、チャートアクションも全英チャートの初登場19位と上々の滑り出しですので、Jarvis Cockerのソロキャリアがようやく本格化してきたといえるかもしれません。まあ捻くれもののJarvis Cockerですから、この評価も素直には受け入れないかもしれないですし、待望されているPulpの再結成にも否定的なコメントを残している様ですので、今後の活動も一筋縄ではいかないのではないかと思います。
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Jarvis Cocker - Angela