The Beesの『Every Step's A Yes』で丁寧にまとめられたサウンド

The Beesの4枚目のアルバム『Every Step's A Yes』が発売されていたのでご紹介。
The Beesといえば発音的に日本の某グループと紛らわしくて、人にお勧めするときも混乱させてしまうのですが、その音楽性は非常に地に足の着いた素晴らしいものなのでぜひ聞いてほしいと思います。さて前作『Octopus』から3年振りとなる今作『Every Step's A Yes』は、落ち着いた楽曲を中心に構成され、サイケデリックながらも牧歌的で非常にリラックスした雰囲気の一枚に仕上がっています。The Beesサウンドは一聴すると地味でシンプルなものに聞こえますが、シンプルな中にも様々なサウンドの要素が、雑多にならない様に丁寧にまとめ上げられているのが印象的で、そのサウンドに囁く様なPaul Butlerのボーカルが乗り素晴らしいコーラスワークが加わる事で、幻想的な独特の世界観を構築していると思います。
バンドの中心人物であるPaul ButlerDevendra Banhartの最新作である『What Will We Be』を共にプロデュースした事が、『Every Step's A Yes』にも深い影響を与えている事は確かで、 レゲエのリズムにを消化しながらそれを意識させない「Winter Rose」や最終曲の「Gaia」の様にサンバを吸収したトロピカルなムードなのに優しげなサウンドは、現在のThe Beesにしか表現出来ない世界観だと思いますし、その世界観が広がりを持って表現されているのが『Every Step's A Yes』の素晴らしい部分だと思います。個人的にずっと聞いているバンドで、流行り廃りとは程遠いところで良質の音楽を作り続けてきたバンドですので、興味のある方はぜひどうぞ。

Every Step's a Yes

Every Step's a Yes

先行シングルとなった「I Really Need Love」『Every Step's A Yes』の中でもアップテンポな楽曲ですが、バンドのアンサンブルがシッカリと発揮されており、アルバムの冒頭から一気に『Every Step's A Yes』サウンドに引き込む様な楽曲になっています。その素敵な楽団風のアンサンブルをどうぞ。